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Jリーグ・国内

「胸を弾ませながらサッカーができると思った」水沼宏太が語る古巣・横浜への熱き想いとは?【独占インタビュー後編】

広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

2020.03.08

リーグ王者からのオファーに心が動かされた。ここで自分はどれだけ成長できるのかと、胸をふくらませる。写真:徳原隆元

リーグ王者からのオファーに心が動かされた。ここで自分はどれだけ成長できるのかと、胸をふくらませる。写真:徳原隆元

 希望に満ちた水沼に、無礼は承知で最後の質問を投げかける。

――今度こそ失敗はできないはず。その危機感はありますか?

 水沼は即答する。「どっちかと言うと、もう失敗してもいいぐらいの気持ちでいます」と。

 元日本代表でJリーグでも活躍した父・水沼貴史をはじめ、家族からは「自分のやりたいところでやるのが一番だよ」と背中を押されたという。それは、水沼自身も大事にしていた部分だった。迷いはないし、言い訳するつもりもない。

「だから、これでダメだったらどうしようとか、そういう気持ちはないです。オファーをもらって、移籍して、全力でプレーした結果がダメなら、きっと受け入れるだろうし」

 余計な力は入っていない。「ダメだったらダメ。良いなら良い」と潔い。「ネガティブな感情だったら、絶対に成功しないと僕は思っているので」。そうしたスタンスは、移籍に関してだけでなく、水沼の人生観でもあるようだ。

「自分のやりたいことに対して、どれだけ熱心に向き合えるか」

 真っすぐに生きてきた男に対し、浅はかな質問をしてしまったと後悔する。「いえいえ、全然大丈夫ですよ」とこちらを気遣う水沼は、どんな状況でも攻撃的な姿勢を貫く横浜のサッカーと同様、一切ぶれがない。

「全力で前向きにやって、成功してやる、と。それだけです。成功してやるというか、上手くなって、もっともっと輝いてみせる――そういうギラギラした気持ちで毎日を送っています。まだまだ頑張りますよ」
 
PROFILE
みずぬま・こうた/1990年2月22日生まれ、神奈川県出身。176センチ・72キロ。あざみ野FC―横浜Jrユース―横浜ユース(プロ以降はキャリアレコード参照)。J1通算252試合・32得点。J2通算50試合・7得点。J3通算9試合・3得点。約9年半ぶりにプロデビューを飾った古巣に帰還したアタッカーは、新体制発表会でトリコロールのユニホームに袖を通すと、「やっぱりF・マリノスが好きなんだなって」と実感。豊富なスタミナと正確な右足のキックがストロングポイントで、トップ下や両ウイングなど複数の攻撃的なポジションをハイレベルにこなす。チームのリーグ連覇などタイトル獲得の力になるべく、意欲満々だ。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)  

※『サッカーダイジェスト』2020年3月12日号より転載
 

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