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海外テニス

2時間超えの熱戦で左足負傷、目には涙…「多くのことが起こった」ジャパンOP2回戦で大坂なおみが執念の勝利 <SMASH>

内田暁

2025.10.16

第3セットで左足を痛めた大坂(右)だったが、気力を振り絞ってラメンス(左)に勝利。「多くの感情が押し寄せてきた中での試合だった」と振り返った。(C)Getty Images

第3セットで左足を痛めた大坂(右)だったが、気力を振り絞ってラメンス(左)に勝利。「多くの感情が押し寄せてきた中での試合だった」と振り返った。(C)Getty Images

 第3セットも、大坂の劣勢の立ち上がり。最初のサービスゲームで、相手の連続ブレークポイントの窮地に立たされた。そうして結果として、この危機を凌いだことで、潮目は大きく変わる。特に30-40の場面で叩き込んだエースが、大坂の気持ちにも火を付けただろう。4ポイント連取でキープすると、続くゲームはデュースの末にブレークに成功。そこからは電車道で5ゲーム連取。勝利まで2ポイントにまで迫った。

 ところが......この場面で大坂は、切り返しボールを追おうとした途端に、小さく飛び上がり足を引きずった。その場で左足に手を添え立ち尽くす大坂は、トレーナーを要求する。左太ももにテーピングを巻きコートに戻ってきた大坂だが、動きは明らかにそれまでと同じではない。左足で踏ん張れないためか、特にバックのショットが制御を欠く。2ゲーム連続で落とし、ゲームカウントは5-2。まだリードしているも、試合の行方は混とんとした。

 ただ勝利を意識したか、相手も次のゲームでいきなりのダブルフォールト。ここを勝機と見ただろうか、大坂はやや足を引きずりながらもコートを駆け、相手を走らせ、ミスを誘いリードを奪う。最後も激しい打ち合いで相手を押し込み、最後は渾身のバックでウイナー。「多くのことが起きた」と振り返る2時間19分の熱闘を勝ち切った時、大坂は目元を拭った。
 
「多くの感情が押し寄せてきた中での試合だった」というその訳は、次の日が28回目の誕生日であり、その日を愛娘と共に、自身が生まれた町で過ごすことへの思い入れもあっただろう。

「第3セットはただひたすら、悔いのないよう全力を尽くした。足のケガに見舞われたのは不運だったし、時間が経つにつれ悪化するようにも感じた」

 会見で試合を振り返る彼女は、ファンの後押しに感謝するとともに、「ホームでもあるこの会場に足を運んでくれた人たちに、良いプレーを見せたかった」と静かに言った。
 
 不幸中の幸いは、誕生日でもある16日に試合はなく、3回戦まで中1日空くこと。

「次の試合までに良くなっていてほしい。私は、回復が早い方だから......」

 自身に説くように言ったこの言葉が、現実となることをホームのファンも切望している。

取材・文●内田暁

【動画】大坂VSラメンスのジャパンOP2回戦ハイライト

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