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ウインブルドンが厳格なドレスコードを緩和する異例の対応。サッカーポルトガル代表選手の事故死に「敬意と哀悼の意を示すため」<SMASH>

スマッシュ編集部

2025.07.06

金曜日のウインブルドンにはカブラル(左)の他、シングルスのヌーノ・ボルジェス(右)が喪章を付けて戦った。(C)Getty images

 厳格なドレスコードで有名のテニス四大大会「ウインブルドン」(6月30日~7月13日/イギリス・ロンドン/芝コート)が実施した異例の対応が話題となっている。

 海外テニスメディア『TNTSports』によると、ポルトガル出身で男子ダブルス40位のフランシスコ・カブラルは、現地時間7月4日に行なわれた男子ダブルス2回戦に喪章を付けて登場。これはサッカーのポルトガル代表選手で英国の名門クラブチーム「リバプール」に所属するディオゴ・ジョッタ氏が、現地3日に発生した交通事故により死去したことを受けてのものだった。

 ジョッタ氏は、同乗していた弟のアンドレ・シウバ氏とスペイン北西部の高速道路を走行中、タイヤがバーストして路外に転落し車両は炎上。その後、2人の死亡が確認された。

 カブラルは試合後の会見で「昨日誰かが喪章を付けることを提案したんだ。素晴らしいアイデアだと思ったよ」と明かす。当初は黒い腕章を付けることを希望したが、これは大会側からの許可が下りず、最終的に黒いリボンを付けることで認められた。
 
「彼(ジョッタ)は私だけでなく国全体にとってのインスピレーションだった。スポーツ界においても非常に重要な存在だっただろう。彼は人生で多くのことを成し遂げた。だから彼の家族やみんなのために、たとえ1%でも貢献できたことは私にとって光栄なことだよ」

 ウインブルドンでは原則として白色のウェアしか認めない「オールホワイトルール」という厳格なドレスコードが存在するが、今回このルールを緩和したことについて大会主催のAELTC(オールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ)は『CNN』を通じてコメントを発表。

「私たちは、このような問題について常に選手たちと対話する用意があります。この悲惨な状況を踏まえ、選手たちが黒いリボンを付けることについて、敬意と哀悼の意を示すものとして承認しました」としている。

構成●スマッシュ編集部

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【画像】「1%でも貢献できたら」黒いリボンを付けて大会に臨むカブラル