専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
国内テニス

「こんなにテニスって楽しかったっけ?」無観客マッチでプロたちが感じた試合への渇望とこれからの在り方

久見香奈恵

2020.07.22

対戦相手と直接接触のないテニスは、対策を万全にさえすれば、今後も試合を提供できるのではないかと考えているという。写真:3vitionプロテニス無観客オープン

対戦相手と直接接触のないテニスは、対策を万全にさえすれば、今後も試合を提供できるのではないかと考えているという。写真:3vitionプロテニス無観客オープン

 まだイベントや大会が開催されていない6月初旬に、選手自らの提案で無観客での大会を実施。今では「Beat Covid-19 Open」や「WOWOWチャレンジテニス」などといったスペシャルイベントから、無観客でのリモート観戦が馴染んできたが、実は「3vitionプロテニス無観客オープン」がより早く無観客試合に取り組んでいた。

 斉藤はすべてのイベントに参加し、田沼も「Beat Covid-19 Open」で大会を盛り上げた。この経験を経て当人たちからは「国内でも感染が落ち着いた地域で大会が開けないのか」と思考を巡らす。無観客でも応援してくれるファンがいて、感染対策を実施し成功した。この経験を生かした大会は、この先、国内で出てくるだろうか。今や全日本テニス選手権も現段階では開催未定という現状に、選手たちは他競技に比べて遅れを取っていると感じている。

「テニスは3密になりにくい競技です。応援だって野球やサッカーに比べて静かだし、大学生の試合も始まるのに…プロの試合ができないのは何故なんでしょうか。致死率も低い日本の高度な医療体制や移動に対しての専門家の話を取り入れていけば、国内大会だけでも実施できるのでは…? スイスやドイツでは国内ツアーを始めていますしね」
 
 スイスへテニス留学した経験もあり、今年4月から東京国際大学のコーチとして指導する江原にとって、自分自身の戦う場所が不透明すぎることに首をかしげる。来年のオリンピック開催に向けて、コロナ対策が万全なら大丈夫ということを、テニス界が先んじて示す時は今かもしれない。そう感じているのは彼だけではないだろう。一方、田沼は公式大会の再開が最優先と考えながらも、大会ができなければイベント大会を充実させる努力をしたいと語る。

「もし公式大会ができなくても、無観客でリモート配信の大会ができると思います。選手にとって試合をすることは重要だし、今回の経験から試合を見せる以外にもエンターテイメントとして工夫できる部分があると思いました。シングルスでの開催がうまくいけば、将来的にも男女プロの団体戦大会を作っても面白いと思います」
 

DAZNなら「プロ野球」「Jリーグ」「CL」「F1」「WTAツアー」が見放題!充実のコンテンツを確認できる1か月無料体験はこちらから

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号