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国内テニス

「こんなにテニスって楽しかったっけ?」無観客マッチでプロたちが感じた試合への渇望とこれからの在り方

久見香奈恵

2020.07.22

斉藤(中)の呼び掛けに田沼(左)江原(右)が賛同し、実現した無観客マッチは、試合の新しい形を提案した。写真:斉藤貴史YouTubeチャンネル

斉藤(中)の呼び掛けに田沼(左)江原(右)が賛同し、実現した無観客マッチは、試合の新しい形を提案した。写真:斉藤貴史YouTubeチャンネル

 これほど選手自身からもテニス発展への意欲があるときこそ、業界全体でコロナ新時代への取り組みに本腰を入れるべきではないだろうか。江原も昨年から始めた部活応援企画を持続し、国内プロテニスプレーヤーを知ってもらい観客動員数を上げる取り組みに奔走している。

 田沼はYouTubeが流行する今、「17ライブ」を始め、イチナナライバーとして毎日ライブ配信に励んだ。ファン獲得と同時にアプリ内イベントでは投げ銭システムがあり、ファンからの応援が自身の収入につながってもいる。このシステムをテニス大会にも定着させることで、新しい応援方法もあるのではないかと本人も刺激された部分があるようだ。
 
 今後は両者ともに8月から再開される世界ツアーに戻りたいと願っている。しかし、実際には出入国が可能な国があっても、大会に出るためには相当な労力を捻出しなければいけないという。入国できたとしてもホテルで2週間の自粛待機があり、その後に練習を再開し試合に臨むということを不安視している。遠征費の膨らみや海外での感染リスク、そして致死率が高い国もあることから今すぐに参戦する意思は低いという。その決断の裏側には、ATPが発表した2019年3月から2020年12月までのベスト18大会でランキングシステムを機能させることが関係している。ATPは選手の焦りが危険を冒し、悪い方向に繋がる一歩目をいい意味で阻止したとも言えるだろう。

「3vitionプロテニス無観客オープン」に参戦した江原と田沼は、この経験から今後どのような取り組みをみせてくれるだろうか。彼らの今後の動きにも注目していきたい。

※3vitionプロテニス無観客オープンは有料noteで試合の模様を販売している
https://www.3vitiontennis.com/2020/06/13/mukankyaku-hanbai/

文●久見香奈恵
WTA125大会ダブルス優勝、全日本選手権女子ダブルス優勝、混合ダブルス準優勝といった戦績を挙げた元プロテニスプレーヤー。2017年に現役引退後はテニス普及活動や、イベント出演、WEB執筆等を行なっている。

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