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海外テニス

元女王ハレップにドーピング違反による4年間の出場停止処分が下る。「ショックと失望を抱く」とCASへの提訴を表明<SMASH>

中村光佑

2023.09.13

処分の根拠とされた一つは、昨年の全米オープンで検査した検体に禁止薬物が含まれていたこと。ハレップもコーチのムラトグルも意図的な摂取を否定している。(C)Getty Images

処分の根拠とされた一つは、昨年の全米オープンで検査した検体に禁止薬物が含まれていたこと。ハレップもコーチのムラトグルも意図的な摂取を否定している。(C)Getty Images

「今日、TADPに関する裁判所は、自分のドーピング違反に関する暫定的な判断を下した。昨年は自分の人生で最もつらい戦いを強いられ、残念ながらそれはまだ続いている。私はテニスを管轄するルールにはとても律儀に従っており、違反物質を認識したうえで、故意にそれを使用したことは1度もないことに誇りを持っている」 

「126ページにも及ぶ報告書によれば、裁判所は私がITIAによって提起された容疑を犯したとの判断を下した。それは競技中の尿検査での陽性と生体パスポートの違反だ。私と代理人たちは、私の弁護を補助する説得力ある証拠をITIAと裁判所へ提出した。それには生体パスポートの結果に関する複数の正当な疑問が含まれる。幾度も意味不明な(公聴会の)遅延がありながらようやく結果が出たことには感謝しているが、私は彼らの決断にはショックと失望を抱いている」 

「私は200回もの禁止薬物への血液検査と尿検査を受け、22年8月29日まではその全てをクリアした。22年のハードコートシーズンへ向け、信頼するチームと専門家からの勧めで、栄養補助サプリメントによるコンディション調整をした。そのうちの1つはロキサデュスタットに汚染されていて、私は最初の検査で陽性反応が出てしまった。23年初頭までほぼ毎週検査を受けたが、全て陰性だった」 
 
「これらの証拠があるにもかかわらず、ITIAが告訴を提起したのは、専門家グループが私の身元を知り、3人中2人が突然ITIAの主張を支持する意見に変わった後だった。ITIAは、私の血液データだけを見た専門家の意見のみ信用した。それは10年以上も同じ範囲を維持していたものだったのに」

「この専門家グループは、私の血液や尿サンプルから禁止物質が検出されたことがないという事実を無視した。唯一の例外は、8月29日のロキサデュスタットの陽性反応であり、この陽性反応は極めて低レベルで、3日前の検査が陰性だったことを考慮すると、ロキサデュスタットは偶発的に検出された可能性がある。この判決に対して私はスポーツ仲裁裁判所(CAS)へ訴え、問題のサプリメント会社に対してあらゆる法的救済を求めるつもりでいる」

 このまま処分が行なわれれば、解除される26年10月には35歳を迎えているハレップ。制裁緩和の可能性がどれほどあるかは不明だが、控訴する権利を行使するのは当然のことと言えよう。

文●中村光佑

【PHOTO】ハレップはじめ、なかなか見られないトッププロの練習やテニス教室の様子

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