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競馬

GⅠとは思えぬ異様な展開…“究極の上がり勝負”を招いた前後半の極端ラップ【天皇賞(秋)】

三好達彦

2025.11.05

単勝1番人気のマスカレードボールがGⅠ初戴冠を果たした。写真:産経新聞社

単勝1番人気のマスカレードボールがGⅠ初戴冠を果たした。写真:産経新聞社

 11月2日、秋の中距離王決定戦となる秋の天皇賞(GⅠ、東京・芝2000m)が行なわれ、単勝1番人気に推されたマスカレードボール(牡3歳/美浦・手塚貴久厩舎)が、追いすがる3番人気のミュージアムマイル(牡3歳/栗東・高柳大輔厩舎)を3/4馬身差に抑えて優勝。自身初のGⅠタイトルを古馬との混合戦で手に入れた。3着には先団で粘る8番人気のジャスティンパレス(牡6歳/栗東・杉山晴紀厩舎)が入った。

 一方、2番人気のタスティエーラ(牡5歳/美浦・堀宣行厩舎)は見せ場を作ったものの、その後の伸びを欠いて8着に敗退。逃げた5番人気のメイショウタバル(牡4歳/栗東・石橋守厩舎)は6着に、4番人気に支持されたブレイディヴェーグ(牝5歳/美浦・宮田敬介厩舎)は10着にぞれぞれ敗れた。

 とてもGⅠとは思えない、異様なレースだった。ゲートを勢いよく飛び出したメイショウタバルが内へと切れ込みながら先頭を奪い、2番手に収まったホウオウビスケッツ(牡5歳/美浦・奥村武厩舎)が手綱を抑えると、後続に蓋をしたような形になって一気にペースダウン。その後はまるで金縛りにでもあったように、自らのポジションを動こうとしない。

 前半1000mの通過ラップはなんと62秒0。スローペースだと騒がれた昨年の本レースでさえ1000mの通過ラップは59秒9で、今年はそれより2秒1も遅い。選りすぐりのトップジョッキーが集まったGⅠの舞台なだけに、この異常なスローペースに騎手が気付かないはずはないが、それにもかかわらず、第3コーナーを回ってもなお動きを見せる馬はいなかった。そして馬群は団子状態のひと塊となって直線へ向く。選ばれし14頭が繰り広げる、究極の上がり勝負の幕開けだ。
 
 ようやく追い出されたメイショウタバルとホウオウビスケッツだが、それを直後で追走していたタスティエーラが交わして先頭に立つ。しかし、それも束の間。より切れ味に優る後続が襲いかかり、その中から他とは違う脚色で抜け出してきたのがマスカレードボール。一気に先頭を奪うと息の長い末脚を繰り出し、追撃するミュージアムマイルやジャスティンパレスを抑え、GⅠ初勝利のゴールを駆け抜けた。

 手綱をとったクリストフ・ルメール騎手は、秋華賞(エンブロイダリー)、菊花賞(エネルジコ)に続くGⅠレース3連勝で今年4勝目。天皇賞(秋)は通算6勝目。手塚貴久調教師は5度目の挑戦で本レース初勝利となった。
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