その他

【フェブラリーS】二枚看板不在のレースを制すのは?「上位」予想は5頭、穴馬はソリストダンサー

三好達彦

2021.02.21

4歳世代のトップを走るカフェファラオも有力馬の一角だ。写真:産経新聞社

 21日(日)、いよいよ今年最初のJRA・GⅠ、フェブラリーステークス(東京・ダート1600m)が開催される。昨秋のチャンピオンズカップ(GⅠ、中京・ダート1800m)を勝ったチュウワウィザードは20日に行われるサウジカップ(サウジアラビア・GⅠ、ダート1800m)に出走するため、また、2着のクリソベリルは引退(種牡馬入り)したため、今回は大看板二枚を欠くことになった。しかしそれでも、次代を背負うとみられる新鋭や、復活勝利を目指すベテランらが顔を揃えたのはGⅠレースならではのこと。争覇圏にいる有力馬の勢力地図を見ていこう。

「上位拮抗」と評する記者や予想家が多い今年のフェブラリーステークスで、その「上位」と目されるのが以下の5頭になる。

 4歳世代のトップを走るのが、2015年の米三冠馬アメリカンファラオを父に持つ外国産馬のカフェファラオ(牡4歳/美浦・堀宣行厩舎)。昨年は6月のユニコーンステークス(GⅢ、東京・ダート1600m)と、10月のシリウスステークス(GⅢ、中京ダート1900m)と2つの重賞を制した。しかし一方で、ジャパンダートダービー(JpnⅠ、大井・ダート2000m)を10着、チャンピオンズカップを6着で大敗し、強さと脆さの両面を見せている。陣営はここへ臨むにあたって、チークピーシーズなど複数の矯正馬具を装着するなど、本来の走りを取り戻させるため懸命に準備を進めてきた。クリストフ・ルメール騎手の手綱さばきとともに、管理馬の立て直しという面でも数々の成功を収めてきた堀調教師の手腕にも注目したい。
 
 5歳勢からは2頭をピックアップ。

 まずは、フェブラリーステークスの前哨戦となる根岸ステークスで重賞初勝利を収めた、ロードカナロア産駒のレッドルゼル(牡5歳/栗東・安田隆行厩舎)。大崩れは少ないものの、勝ち身に遅い傾向があって出世は遅れたが、前走では目を見張るような鋭い末脚を繰り出し、5歳にして確かな成長の跡を見せた。問題はこれまで1400m以下のレースしか経験していないこと。血統的に不安はあるものの、あと200m延びてのマイル戦をこなせるかどうかは、昨年暮れのGⅠ連勝以来、あらためて重賞での勝負強さを見せつけている川田将雅騎手のパフォーマンス込みで検討したい1頭だ。

 3連勝で東海ステークス(GⅢ、中京・ダート1800m)を制し、一気にビッグタイトルを狙いにきたのがオーヴェルニュ(牡5歳/栗東・西村真幸厩舎である。)。父がJpnⅠ競走を6勝するなど、ダート戦線で一時代を築いたスマートファルコンという点が、マニアックなファンのハートをくすぐる存在だ。これがGⅠレース初挑戦となるが、重賞初出走だった東海ステークスで一気に壁を突破した昇竜の勢いに賭けてみるのも一考だろう。
 

RECOMMENDオススメ情報