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【高松宮記念】本命レシステンシアは道悪適性も及第点をクリア。ダノンスマッシュは馬場状態次第か

三好達彦

2021.03.27

レシステンシアは今年初戦の阪急杯ではスピードの違いを見せつけた。写真:産経新聞社

 本格的な春の競馬シーズンの訪れを告げるスプリント王決定戦、高松宮記念(GⅠ、中京・芝1200m)。昨秋のスプリンターズステークス(GⅠ、中山・芝1200m)を圧勝したグランアレグリア(牝5歳/美浦・藤沢和雄厩舎)が中距離路線のGⅠ・大阪杯を目標としたため、今年はダントツの主役が抜けた格好になった。加えて、3週連続で日曜には降雨が予想され、馬場はタフなコンディションになる可能性が高い。そうした要素も含めて、穴馬も射程に収めつつ有力馬の力関係を見ていこう。

【本命視されるのは?⇒レシステンシア】
 一昨年の2歳女王で、昨年も桜花賞とNHKマイルカップ(ともにGⅠ)で2着に入る健闘を見せた快速牝馬、レシステンシア(牝4歳/栗東・松下武士厩舎)。今年初戦の阪急杯(GⅢ、阪神・芝1400m)ではスピードの違いで先手を取ると、直線では後続を突き放す圧勝を飾り、能力の高さをあらためてアピールした。重馬場の桜花賞でデアリングタクトに続く2着としており、道悪適性も及第点をクリア。武豊騎手が負傷したため騎乗不可となったが、鞍上にはGⅠレース9勝を誇る腕達者の浜中俊騎手を確保できたのは幸運だった。不安点は今回が初の1200m戦という点だが、他馬に機先を制されたとしても、2~3番手から進んで勝利を収めた経験があるのは心強い。
 
【対抗と目されるのは?⇒ダノンスマッシュ】
 短距離重賞を6勝しながらも、なかなかGⅠ制覇に至らなかったダノンスマッシュ(牡6歳/栗東・安田隆行厩舎)だが、2度目の参戦となった昨年暮れの香港スプリント(GⅠ、シャティン・芝1200m)でようやくビッグタイトルを手にした。マイルまでを守備範囲にしているものの、重賞7勝のうち6勝が1200m戦で、父ロードカナロアからスピード色を濃く受け継いだ生粋のスプリンターと言っていいだろう。高松宮記念には2年連続で出走しており、良馬場の19年が4着、重馬場の昨年が10着と、馬場適性には不安な点もあるが、昨年のセントウルステークス(GⅡ、中京・芝1200m)を制しているように、コース自体が不得手なわけではない。本馬の取捨を考える際には、当日の馬場状態に注意したいところだ。