格闘技・プロレス

WWEと契約した里村明衣子、「特殊部隊のような団体」“GAEA”で培ったプロレス人生「辞めたいとは思わなかった」

THE DIGEST編集部

2021.06.09

WWEでの本格挑戦を前に里村が、参戦する「GAEAISM」への想いを語った。写真提供:センダイガールズプロレスリング

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けての紆余曲折を経て、来る6月13日に東京・大田区総合体育館でようやく開催される運びとなった『GAEAISM ―Decade of quarter century―』。長与千種がかつて率いた女子プロレス団体「GAEA JAPAN」の運営会社が中心となったイベントが15年ぶりに一夜限りの復活を果たす。

「GAEAISM THE HISTORY」と命名されたセミファイナルでは、長与千種&KAORU&広田さくらと里村明衣子&永島千佳世&植松寿絵が対戦する。この豪華なGAEA JAPANのOGによる6人タッグマッチに挑む、センダイガールズプロレスリング(仙女)代表である里村に話を聞いた。

 里村にとってGAEA JAPANとは、「ファンも選手も会社も常に熱かった。特殊部隊のようなプロレス団体」だ。デビュー当時、GAEA驚異の一期生の筆頭だった彼女は、「(GAEAは)他の団体からも一目置かれていたと思う。他団体選手やマスコミから敬遠されていた感じもするけど、だからこそ特別だったし、その意識は常に持っていた。トレーニングや団体規則など、一切の情報を遮断してトレーニングも精鋭された環境だった」と当時を回想する。

 しかし、「厳しすぎて自由が欲しかったのも事実です。頭がおかしくなるくらいの生活から抜け出したい時期もあった」と漏らす里村だが、「団体を辞めたいとは思わなかった」。

「今振り返ると、それも良い経験です。もう二度と戻れない環境と経験ですから」
 
 GAEAでの経験が後の里村のプロレス人生に大きな影響を与えたのは言うまでもない。そんな故郷とも言える団体に一夜とはいえ戻るのだ。

 ファンにとっても待望となるが、それは本人にとっても同じだ。「一夜復活するメモリアルな興行になるとワクワクしていました。この一年で自然に仙女とマーベラスの抗争がメインになったのも運命だと思います」と話す彼女は、こう続けている。

「一年前は橋本(千紘)しか当時のGAEAを知らなかったが、(里村の師である長与千種が作った)マーベラスと抗争することにより仙女のプライド=GAEAISMに繋がってきているのを実感している」

 仙女とマーベラスの抗争がGAEAISMに繋がった流れを「運命」と語るのは、いかにも里村らしい。
 
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