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引退の花道を飾った”女王”グランアレグリア。最後まで豪快に駆け抜けた名牝と調教師の秘話

三好達彦

2021.11.22

グランアレグリアは、牝馬として史上6頭目となる獲得賞金10億円を突破した。写真:産経新聞社

グランアレグリアは、牝馬として史上6頭目となる獲得賞金10億円を突破した。写真:産経新聞社

 秋のマイル王決定戦、マイルチャンピオンシップ(GⅠ・芝1600m)が11月21、阪神競馬場で行なわれ、これが引退レースとなる単勝1番人気のグランアレグリア(牝5歳/美浦・藤沢和雄厩舎)が快勝。史上6頭目となる本レースの連覇を達成し、自ら引退の花道を飾った。

 2着には2番人気のシュネルマイスター(牡3歳/美浦・手塚貴久厩舎)が、3着にはダノンザキッド(牡3歳/栗東・安田隆行厩舎)が入着。一方、3番人気のサリオス(牡4歳/美浦・堀宣行厩舎)は6着に、4番人気のグレナディアガーズ(牡3歳/栗東・中内田充正厩舎)が13着に敗退した。

 着差は3/4馬身差だったが、”女王”グランアレグリアの勝ちっぷりには数字以上の強さと速さが宿っていた。

 好スタートを切ったホウオウアマゾン(牡3歳/栗東・矢作芳人厩舎)がじわっと先頭に立つと、サリオス、グレナディアガーズ、インディチャンプ(牡6歳/栗東・音無秀孝厩舎)らがそれを追走。シュネルマイスターやダノンザキッドは中団に構え、グランアレグリアは11~12番手の外目でゆったりとレースを進めた。1000mの通過ラップが59秒3と、GⅠにしてはペースが緩い。
 
 後方馬群も前との差を詰めながら迎えた直線。粘るホウオウアマゾンを交わしてサリオスが先頭に立つが、中団からシュネルマイスターとダノンザキッドが脚を伸ばして襲い掛かる。そこで馬場状態のいい外から豪快に追い込んで来たのがグランアレグリア。先団を一気に飲み込むと、シュネルマイスターを抑え込んで見事に有終のゴールを駆け抜けた。

 ペースがスローだったとはいえ、グランアレグリアが記録した上がり時計は3ハロン32秒7というから驚異的。まさに格の違いを見せつける、切っ先鋭い「刀」のような切れ味だった。

 彼女が歴史に刻み付けた記録をおさらいしておこう。

 牝馬として史上6頭目となる獲得賞金10億円突破。現役最多となるGⅠレース6勝。ヴィクトリアマイル、安田記念、マイルチャンピオンシップ(2回)と、古馬の芝マイルGⅠ最多勝となる4勝。彼女が昨年の安田記念で破ったアーモンドアイにも劣らぬ、歴史的名牝といって差し支えない存在となった。
 

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