マラソン・駅伝

箱根駅伝まであと5日!優勝候補5校を徹底比較「分厚さ力」「安定力」「ダブルエース力」

生島淳

2021.12.28

いよいよ第98回箱根駅伝が始まる。今回は優勝候補5校の特長をキーワードでみてみよう。写真:JMPA

 いよいよ箱根駅伝まで1週間を切った。

 すでに強化期間は終了しており、残るは体調管理とピーキング。長く箱根駅伝を取材していると、走るのを目前にしながらインフルエンザ、ノロウイルスなどに罹患し、タスキをかけられなかった選手たちを見てきた。

 学生たちには無事、1月2日と3日を迎えて欲しい。

 さて、各校のエントリーメンバーを見ながら、優勝候補とされる学校の強みはどこにあるだろう? と考えてみた。

 今回、その強みを「●●力」というワードで表現してみるが、私が考える優勝候補は5校だ。

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◆駒澤大「田澤力」

 先頭は、前回の優勝校に敬意を表し、駒澤大から。同大学の強みは「田澤力」だ。「たざわちから」と人名のように読めてしまうかもしれないが、「たざわりょく」である。

 前回の総合優勝、そして全日本のつなぎ区間のレベルの高さを見ると、総合力でナンバーワンと見られる青学大に匹敵する選手層を誇っているが、それでも、田澤の実力が駒澤大の大きな武器と捉えたい。

 実は、過去2回、田澤は箱根駅伝で本領を発揮していない。1年時は3区で区間3位、2年時は2区で区間7位。前回は日本選手権後とあって本調子では臨めなかったことも影響していただろう。今回は12月4日の日体大記録会で27分23秒44と激走を見せたが、果たして反動はどうか。

 大八木監督は「田澤本来の持ち味を発揮させるなら3区だけど、チーム事情で2区になることもあるからね」と話す。起用区間はどちらになるだろうか。

 田澤は東京五輪ランナーの三浦龍司(順天堂大)とともに、今回の箱根駅伝の顔。ぜひとも「田澤力」を見せて欲しい。
 
◆青山学院大「分厚さ力」

 青学大の持ち味は、部内に5000m13分台の選手が現時点で少なくとも26人いること、箱根駅伝のエントリーメンバー16人全員が10000m28分台の記録を持っていることだ。

 とにかく、分厚い。つまりは、「分厚さ力」。

 原晋監督は「復路は絶対的な自信があります。6区から10区まですべて区間3位以内、全員が区間賞を取れる力があるでしょう」と語る。復路が先頭と2分以内であれば、逆転に向けて大きなチャンスが生まれる。

 2年ぶりの総合優勝のためには、往路、特に3区までをどうまとめるかが鍵になる。近藤幸太郎(3年)、佐藤一世(2年)が持ち前の「駅伝力」を発揮できれば、視界良好となるだろう。
 
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