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フィギュア

「羽生結弦との争いは壮絶なものに」ネイサン・チェンが再び“優勝候補”として挑むオリンピック。海外メディアは4回転ジャンプ対決に注目【北京五輪】

THE DIGEST編集部

2022.02.04

北京入りし、会場で練習するチェン。(C)Getty Imagse

北京入りし、会場で練習するチェン。(C)Getty Imagse

 2月4日、北京五輪が開幕する。すでに選手たちは続々と現地入りしており、先日は米国代表のフィギュアスケーター、ネイサン・チェンが会場で練習を行なった。

 4年前の平昌五輪、当時18歳のチェンは優勝候補として参加した。しかし、ショートプログラムで信じられないようなミスを連発し、82・27点で17位スタート。フリースケーティングでは215・08点という全選手中1位という成績を残したにもかかわらず、SPでの失敗が響き、4位に終わった。

 チェンにとってオリンピックは苦い思い出のひとつと言って間違いない。スペイン紙『MARCA』によれば、事前練習の取材に応じた際、「本当に苦い思い出だが、自分を成長させてくれた」と振り返ったという。

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「勝っても負けても、人間として変わることはない。この3年間で、3歳の頃から毎日通っていたアイスリンク以外の世界も見られるようになった。生活とスポーツのバランスを保つことが大切だと実感している。僕の目標はシーズンごとに向上し、誇れるパフォーマンスをすることだ」

 言葉通り、平昌五輪を経て、チェンが再びオリンピックという舞台に挑戦するまでの22018年からの4年間、彼は王者に君臨し続けている。
 
 2021年に行なわれたグランプリ(GP)シリーズ、アメリカ大会でヴィンセント・ジョウに敗れた以外の、すべての公式戦で優勝。プログラムの難度も上げた。SPはもちろん、FSでの4回転ジャンプ6本を含む構成は圧巻だ。

 敗れたアメリカ大会ではジャンプの転倒やミスがあり、ジョウに及ばなかった。だが、チェンが現状の構成のまま、SPおよびFSで完璧な演技をすれば、念願のオリンピックでの表彰台は手の届く場所にある。

 そのチェンについて、同紙のペドロ・ラマレス記者は「アクセル以外のクワドを操るキングである」としたうえで、「唯一のアクセルに挑戦しようとしているのが、羽生結弦だ」と綴っている。

「チェンは6種類あるうちの4回転ジャンプの5種類(トゥループ、サルコー、ループ、府リップ、ルッツ)を成功させることができる。同じプログラムで5本の4回転ジャンプを成功させてもいる。だが今のところ、アクセルだけが彼から”逃げ”ている。最も複雑で、今のところ誰も成功させていないジャンプに、彼は『今の僕には無理だと思う』と語った。だが、羽生が2年間をつぎ込み、北京五輪で実現したいジャンプである。このことから、ふたりの戦いは、壮絶なものになることは間違いない」

 もちろんチェンや羽生以外にも、今回の大会には4回転ジャンプを複数跳びこなす選手たちが多々集まっている。フィギュアスケートは、ジャンプのほかに、楽曲の理解度や技のつなぎ、芸術的要素など複数の要素が絡み合って構成され、それが魅力のひとつともいえるだろう。

 果たして、4年ぶりの舞台で表彰台の最も高い場所に立つのは誰になるのか。フィギュアスケートの団体戦は4日に始まり、個人戦は8日にSP、10日にFSが行なわれる。

構成●THE DIGEST編集部

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