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飛躍の2年目となるか。角田裕毅に英メディアが提示したF1残留への課題「ミスなく安定」「コンスタントなポイント獲得」

THE DIGEST編集部

2022.02.10

レギュレーションが一新されたなかで角田はどんなパフォーマンスを見せるだろうか。(C)Getty Images

 2022年F1世界選手権の開幕に向けて日々、トレーニングに励んでいるアルファタウリの角田裕毅。2年目の飛躍を遂げるための準備に余念がない。

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 昨季は開幕戦バーレーン・グランプリでいきなり9位につけて最高のデビュー戦を飾ったが、以後は自身のミスもあって苦しいレースが続くようになり、その実力に疑問符がつけられたり、去就について様々な憶測が流れたりもしたが、終盤戦に入ってパフォーマンスが安定してくると、最終戦アブダビGPでは鮮やかな追い抜きなどの見せ場を作った上で、自己ベストの4位につけて、来季に期待を持たせて1年目を終えた。

 アルファタウリとの契約は今季いっぱいであり、F1でのキャリアが継続するか否かを決する重要なシーズンに、彼はこれから臨むことになる。そんな日本人ドライバーを、英国のモータースポーツ専門メディア『THE RACE』が「F1でのラストシーズンを迎えるかもしれないドライバーたち」と題した記事で、ルイス・ハミルトン、フェルナンド・アロンソ、セバスティアン・ヴェッテル、セルジオ・ペレス、ニキータ・マゼピンとともに取り上げている。

 厳しい見出しのついた記事の中で、角田の将来について同メディアは「最も単純な方程式」によって決定されると指摘する。つまりは、「許容できる範囲でのパフォーマンスを見せればアルファタウリに残留し、そうでない場合はF1でのキャリアはここまでとなる可能性が高い」ということだ。
 
 多くのメディア同様の厳しい指摘だが、一方で昨季については「昨シーズン終盤の軌跡は非常に力強いものだった。最後の7レースのうち6レースの予選でQ3進出を果たし、さらに最後の2レースではミディアムタイヤで決勝スタートを迎えることに成功(つまり同タイヤでQ2をクリア)。そして最終戦のアブダビでは4位でシーズンを締め括った」とポジティブに振り返っている。

「チームメイトのピエール・ガスリーと比べ、もう一歩先に踏み出すこと、そして一貫したパフォーマンスを発揮できることを示す必要があった」と課題を挙げながら、「21歳の"少年"は昨季、コースの内外で膨大な量の学習を重ねた。彼は真の可能性を秘めたドライバーであり続け、厳しいルーキーイヤーにおいても時折、それを垣間見せていた。ゆえに、新シーズンでそれが発揮される可能性は十分にある」と、新シーズンへの期待も寄せた。

 そして改めて、2023年以降に角田がF1残留のためには「車が昨季のような競争力を有すると仮定するなら、ガスリーとの比較やチームの期待というプレッシャーの下、2021年に受けた全てのレッスンを活かし、ミスなく安定したペースでポイントをコンスタントに獲得し続けること」が必要だと主張した同メディア。「ツノダがこれを成し遂げるだけの力を有しているのは間違いない。ただ、彼が本当に成し遂げるかどうかはまだ分からない」と締めている。

 同期のマゼピンが「父親の財政的支援でF1での地位が保証されているように見えるが、それはチームが脆弱な場合にのみ効力を発揮することを覚えておく必要がある」と厳しく綴られていることと比較すれば、角田はかなり評価を受けているように見える。昨季終盤戦のようなドライビングを継続して見せられるか? 車のポテンシャルとともに、非常に興味深い。

構成●THE DIGEST編集部

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