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フィギュア

羽生結弦が“4回転アクセル”を貫いた理由ーー「生き様」を演じた王者は充実の表情「これ以上ないぐらい頑張った」【北京五輪】

辛仁夏

2022.02.16

4Aにこだわった羽生は、表彰台まであと一歩の4位で終えた。(C)Getty Images

4Aにこだわった羽生は、表彰台まであと一歩の4位で終えた。(C)Getty Images

 94年ぶりの3連覇を期待された羽生結弦の3度目の五輪は、自己ベスト(322.59点)にほど遠い合計283.21点の総合4位に終わった。ショートプログラム(SP)で氷上の穴に右足のエッジがはまるアクシデントに見舞われて4回転サルコウがパンク(1回転)する失敗を出して8位と出遅れた。フリーでは果敢に挑戦した4回転アクセルと4回転サルコウで連続転倒して得点源を失って3位に留まり、あと一歩のところで表彰台を逃した。

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 一番の敗因は、思わぬ不運に遭って首位との点差が18.82点もついたSPで出遅れたことが挙げられるだろう。もし、完璧に演技できたら、より攻撃的な演技構成で挑んできたチェンと五分五分の勝負ができたかもしれない。それでも、ジャンプ構成を比べれば、基礎点ですでに4点の点差がついていた。お互いにノーミス演技をすれば、GOEの加点はほぼ同じと見ていいだけに、今回のSP勝負ではチェンの首位発進は必然と言ってもいい。

 それでも五輪王者として北京五輪の舞台に立った羽生は、SP冒頭にジャンプを失敗しても一切の動揺を見せずに、その後は完璧な演技を見せて魅了。そのメンタルの強さ、王者らしさを全うする責任と誇りは圧巻だった。
 
 SP後の取材エリアでは、懇意の関係者に声を掛けられて思わず涙を見せた様子がテレビで流れたが、インタビューに応対するその姿は毅然としていた。

「いやーもう、サルコウのミスはしょうがないなという感じです。自分の中でミスはなかったなと思っているので。ちょっと(氷に)嫌われたという感じです。踏み切りで、ほかのスケーターの穴が存在していて、滑っていくときに穴に(右足のエッジが)がこっとはまっちゃって、跳びに行っているんですけど、頭が防衛していましたね、体のことを。正直、演技が終わるまではぜんぜん気持ちは切れていなくて、すごく集中していままでのショート中でも全体的にいい演技だったなと思うんですけども、なんか、やっぱ、気持ちがふわふわしていますね。今日、不運もあったんですけども、氷との相性も自分の中ではすごくいいなと思っているので、しっかり練習して(4回転アクセルを)決め切りたいです。もう何も怖くないので、フリー頑張ります!」
 
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