昨季、高い期待を受けてF１デビューを果たしたアルファタウリの角田裕毅。開幕前の合同テストでは全体の２番手に入るタイムを計測し、開幕戦バーレーン・グランプリでも予選から好パフォーマンスを見せて、決勝でも幾つもの見せ場を作った末に９位入賞を果たすなど、素晴らしいスタートを切った。

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　しかし、その後は気負い過ぎて不要なプッシュでスピンやクラッシュを喫してレースを台無しにし、それで自信喪失に陥ってさらにパフォーマンスを悪化させるなど、経験不足ゆえの悪循環に……。ただ、そこからチームやレッドブルによる改善プログラムによって再び上昇を始めると、シーズン終盤には予選Q３の常連となり、最終戦ではベストリザルトとなる４位フィニッシュを飾り、２年目に期待をつなぐこととなった。

　多くの経験と収穫を得た角田は最近のインタビュー等で、新シーズンで自身がなすべきことを十分に理解していると語っているが、英国のモータースポーツ専門メディア『THE RACE』は彼や、アルファタウリ代表のフランツ・トストのこれまでのコメントから、この21歳の日本人ドライバーが今季クリアすべき「課題」を改めて挙げている。
  　ひとつ目に挙げたのは「より良い判断」で、昨季序盤の彼に一番欠けていた「いつ、どこでプッシュするか？」を決定する意思である。昨季は、無理をする必要がないフリー走行や予選Q１などでクラッシュを繰り返した他、イモラの決勝では、再スタートでルイス・ハミルトンを抜こうと濡れた路面に突っ込んでスピンを喫するなどのミスが目立った。また、イスタンブールではハミルトンを８周も抑え込んで称賛されたものの、これでタイヤを傷めてレースを台無しにしたことについても、同メディアは改善すべきケースに加えた。

　続いては「セットアップでの貢献」。トスト代表によれば、角田はセットアップにさほど関与せず、もっぱらチームメイトで経験のあるピエール・ガスリーがリーダーとしてこの大事な役割を一手に担い、そこからルーキーは恩恵を得ていた。しかし、当然ながら今後は角田にも、技術的な点でのリーダーシップを持つことが求められ、またF１ドライバーとしてそうすることが成長の上で不可欠であるという。