ただ、これについては昨季途中にアルファタウリのファクトリーがあるイタリア・ファエンツァに移り住んで、チームと多くの時間を過ごすようになってから、技術面に関するコミュニケーションは拡大に増えてきており、２年目は大いに期待できるポイントであるようだ。

　３つ目の課題は「プレッシャーへの対応」で、昨季は開幕戦バーレーンGPで評価がマックスに上がったことが、ルーキーにとっては少なからずプレッシャーとなり、その後のスランプに繋がったが、猶予を与えられた１年目とは違い、F１キャリアを続けるために、絶対に結果を残さなければならない今季の彼へのプレッシャーは相当なものであるはずだ。
  　しかし、新シーズンを前にした現在の角田は「昨季よりもプレッシャーを感じてはいるが、それは良いものであり、トレーニングのモチベーションになっている」とポジティブに捉えている。同メディアは「2023年にレッドブルに昇格するのが彼の目標だろうが、それは現時点で期待薄である。しかし、昨季終盤戦の良い状態をコンスタントに再現することで、アルファタウリでのシートは安泰となるはずだ。さもなければ、F１でのキャリアは終わる」と指摘する。

　４つ目は「フィットネス」。F１を戦う上で、フィジカル的に十分でなかったことを角田は認めている。昨季はとりわけ、３週連続のレース開催時に肉体に大きな負担を感じたようで、終盤戦でメキシコ、ブラジル、カタールと続いた際、数少ない左回りのコースであるブラジルで特に筋肉に痛みを覚えた彼は、フィットネスの改善の必要性を感じたと語っている。今冬はハードトレーニングに励んだというだけに、それが成果を出すかどうかが注目される。

　そして、最後は「メンタル管理」を挙げている。「ツノダは速く、素晴らしいドライバーだが、F１ではそれだけでは足りない」と指摘する同メディアは、昨季は自信過剰と喪失が彼のパフォーマンスに悪影響を与えることとなったが、「最終戦のアブダビでは、焦ってセバスティアン・ヴェッテルに突っ込んだジェッダのミスを繰り返さず、自身をコントロールし、レースを組み立て、素晴らしいパフォーマンスを生み出した」と評価。同様のメンタル管理が2022年に見られれば、成長は容易なものになると予想した。

構成●THE DIGEST編集部

【関連記事】“尻に火が付いた“６人のドライバーを専門メディアが選出！角田裕毅はキャリア継続に向けて「まだ道のりは長い」

【関連記事】昨季Ｆ１最終戦での「無線」が英国で物議。レッドブルとレースディレクターのやり取りにOBたちが不快感

【関連記事】もし今、ハミルトンが引退したら誰がメルセデスに!? 英国専門メディアが“仮定のテーマ”で候補ドライバーを選出