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格闘技・プロレス

平本蓮、涙の連敗。それでも米修行の成果は見せた男の闘志は死なず「こんなんで引いてらんない」【RIZIN】

THE DIGEST編集部

2022.03.07

MMA2連敗となったものの、成長の証は示した平本。それは対戦相手の鈴木も認めるところであった。(C)RIZIN FF

MMA2連敗となったものの、成長の証は示した平本。それは対戦相手の鈴木も認めるところであった。(C)RIZIN FF

「(相手が)やりたくないなって思わせるような試合を、今の自分なら見せられる」

 前日の公式計量で、そう宣言していた平本蓮(ルーファスポーツ)だったが、悲願のMMA(総合格闘技)初勝利は掴めなかった。
【動画】壮絶な乱打戦! 平本と鈴木が魅せた殴り合いシーンをチェック

 3月6日に行なわれた『RIZIN LANDMARK vol.2』のメインイベントで、平本はKNOCK OUT-BLACKスーパーライト級(65kg)王者の鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)に0-3での判定負けを喫した。2020年12月31日の『RIZIN.26』で萩原京平にTKO負けを喫して以来の一戦だったが、キャリア2連敗となった。

 RIZIN LIVEほか全9社でPPV配信され、小さくない注目を集めた大会の大トリとして満を持して登場した平本。緊張した面持ちを見せた序盤戦こそ、鈴木の攻勢に押され、1回の時点で、左目の付近が真っ赤に腫れ上がる。

 明らかな劣勢のなかでも決定的な一撃を打たせずに踏ん張った平本は、2回以降は冷静なテイクダウンディフェンスで鈴木の攻撃をいなす。そして、ジワジワと打撃でダメージを加え、Bellator世界バンタム級王者のセルジオ・ペティスとともに、アメリカで磨いた技術の一端を垣間見せた。

 最終ラウンドは、体力を削るべくテイクダウンを狙い続ける鈴木に対し、平本は打撃戦に持ち込もうと奮闘。両雄ともに文字通りの死力を尽くした。

 1ラウンドに渾身のストレートを受け、ダウンを取られてからの盛り返しは、十分に平本のポテンシャルを感じさせるものだった。それは他でもない鈴木が、「本当に強かったっす。予想以上に打撃が上手くて、『あれ、キックの選手じゃないの?』と思うくらい。アメリカで修行してきた成果が出ていた」と認めるところである。

 もっとも、当人は悔恨の念を抱く。リング上で涙ながらに「死ぬ気で頑張る。もう一度やる」と語った23歳は、試合後の会見で、「勝ちたかった。またすぐやります、すぐ……」と振り返った。

「こんなんで引いてらんない。どんどん試合をしていきたい。(試合は)倒しに行こうとこだわってしまって、後になってもっと色々できたなと思う。でも、こんなんで終わりじゃない。絶対にまた戻ってくる」

 まだMMAでのキャリアは2戦だ。今回は勝てなかったが、「自分に足りないのは経験だけ」「必ずRIZINで頂点を取る」と語気を強めた男の目は死んでいない。榊原信行CEOは、「実戦でしか学べないことがある。僕らからすると、来月にも闘う機会を提供したいと思う」と言い放っているだけに、今後の飛躍ぶりを興味深く見守りたい。

取材・文●羽澄凜太郎

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