マラソン・駅伝

来年の箱根駅伝は「國學院大」に躍進の予感!駅伝ライターが見る“新チームの戦力状況”をチェック

酒井政人

2022.03.16

青学大が優勝で幕を閉じた2022年箱根駅伝。写真は1区の様子だ。写真:JMPA

 正月の箱根駅伝が終わって、2か月余り。各校は"新チーム"として始動しているが、どのような戦力になっているのか。箱根駅伝以降のレース結果を踏まえて、現時点での実力をリサーチしていきたい。

 箱根駅伝で歴史的な独走Vを飾った青学大は優勝メンバーの卒業が2人(飯田貴之、高橋勇輝)だけで、圧倒的な戦力を有している。2月6日の別府大分毎日マラソンには3年生トリオが挑戦して、宮坂大器が14位(2時間12分9秒)、横田俊吾が16位(2時間12分41)、西久保遼が22位(2時間15分46秒)。3月13日の日本学生ハーフマラソン(以下、学生ハーフ)でも目片将大(3年)が10位(1時間02分36秒)、田中悠登(1年)が14位(1時間02分55秒)と箱根出場を逃したメンバーが活躍した。そこに楽しみなルーキーが加わり、正月決戦のピーキングも秀逸。現時点ではダントツのV候補になるだろう。

 青学大を追いかける立場になる駒大は、箱根メンバーで卒業は1人(佃康平)だけで、今冬はエース田澤廉(3年)から主将を引き継いだ山野力(3年)が覚醒した。2月12日の全日本実業団ハーフマラソン(以下、実業団ハーフ)で先輩・村山謙太(現・旭化成)が保持していた日本人学生最高(1時間0分50秒)を塗り替える1時間0分40秒で学生トップの4位。箱根は9区で区間4位だったが、新シーズンは青学大の主力とも対等以上に戦うことができるだろう。

 2月26日の日本選手権クロスカントリーのシニア10kmでは篠原倖太朗(1年)が7位(29分12秒)、駒大に進学する佐藤圭汰(洛南高)が8位(29分18秒)に入った。昨季は日本インカレ5000mで2位、出雲駅伝で1区(区間8位)を任された篠原は実業団ハーフでも1時間1分1秒をマーク。箱根駅伝の"新戦力"になるはずだ。それから1500m(3分37秒18)、3000m(7分50秒81)、5000m(13分31秒19)で高校記録を持つスーパールーキー佐藤は、長い距離への対応は未知数だが、出雲と全日本では間違いなく強力なカードになる。まずはトラックの走りに注目したい。
 
 今冬のロードシーズンで強烈なインパクトを残したのが國學院大だ。箱根3区で6人抜きの快走を見せた山本歩夢(1年)が実業団ハーフで8位(1時間0分43秒)の好走。そして学生ハーフでは箱根駅伝のトップ3(青学大、順大、駒大)が入賞者を出せなかったなかで、トリプル入賞を達成する。

 平林清澄(1年)が1時間1分50秒で制すと、中西大翔(3年)が1時間2分2秒で2位に入り、伊地知賢造(2年)が8位(1時間2分22秒)。さらに坂本健悟(3年)も18位(1時間2分58秒)と健闘した。箱根9区で区間2位の平林と新主将の中西は6月に中国・成都で開催されるFISUワールドユニバーシティゲームズ(旧・ユニバーシアード)の代表に内定。今季は出雲4位、全日本4位、箱根8位に終わったが、箱根駅伝で初優勝を目指せるような実力と勢いがありそうだ。
 
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創価大、順大、東洋大など上位校の戦力は?