食と体調管理

「貧血症」克服のために食生活を見直し、「心配性」の性格もプラスに。五輪2冠のスイマー、大橋悠依選手の「勝利への準備と対策」

THE DIGEST編集部

2022.04.01

写真提供:イトマン東進

明日への一歩を応援する「Do My Best, Go!」。第17回はTOKYO2020の水泳、個人メドレーで2冠を達成した、プロスイマー大橋悠依選手が登場。日本代表入りは21歳と水泳界では"遅咲き"だったが、大学3年からの急成長の裏には食生活の改善があった。そして自ら「心配性」と語る性格から導き出された大橋流の準備術について、耳を傾けてみよう。

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――水泳をやり始めたきっかけは?

 小さい頃だったのであまり記憶にないのですが、姉が通っているのを見に行っていて、その流れで始めたと思います。私は身体があまり丈夫じゃなかったので、両親が水泳をしたら強くなるのではないか、という期待も込めて、始めさせたようです。

――他に習い事は?

ピアノも習っていたのですが、親から「どっちを選ぶ?」と聞かれた時に、私が「水泳!」と言ったらしいです。友だちと会えることが楽しかったですし、月1回あるテストに合格するとアイスを買ってもらえていたので(笑)。

――水泳の記録は順調に伸びていったのでしょうか?

 小学校2年生ぐらいで選手コースに上がってからは1年ちょっとでジュニアオリンピック(JO)のタイムを切れました。それ以降も伸び悩むことはなかったですが、全国では上位の選手ではなくて、決勝に残ることもなかったです。

――あまり身体が強くなかったということですが、水泳以外の運動は?

 走るのはけっこう速かったと思いますが、それも小学校のうちだけで、水泳以外はできないです。体育の授業の器械体操、とくにマット運動なんか全然ダメでした。

――食べ物へのアレルギーも多かったとうかがいました。具体的には?

 完全に食べられなくて除去していたものは甲殻類のエビ、カニ。それからイカ、タコ、貝類の他、アーモンド、ピーナッツも。卵は少し加熱したら食べられますが、目玉焼きや卵焼きは今も食べられないです。

――食事をつくる方もたいへんだったのでは?

 お母さんはかなりたいへんだったと思います。食事の時は私だけ別のものを用意しなければいけなかったですし、学校給食でも、学校側の準備がどうしても無理な時はお母さんがつくって持ってきてくれていましたから。肉や魚、豆類は大丈夫ですが、卵が食べられないので、タンパク質を摂る部分ではかなり苦労した部分もあったかなって思います。

――卵がダメとなると、スイーツ選びもたいへんそうですね

 そうなんです! ハーゲンダッツにも卵が入っていて食べられません。大人になると、周りは頑張った「自分にご褒美に!」となりますが、私はそれを経験できなくて……。それからプリンとかカステラも。カステラは試合当日の補食に最適なのですが、食べて痒くなるものと、痒くならないものがあるので判断が難しいです。

――遠征時も気を使いますね。

 はい。特に海外に行くと、何が入っているかわからないものもあるので、一度他の選手に食べてもらって、確認してから注文するなど、そこはとても気を使いました。