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ゴルフ

なぜ西郷真央は大変身を遂げたのか? 今季5戦3勝の“ジャンボの愛弟子”が他の選手と一線を画す理由

山西英希

2022.04.04

笑顔でトロフィーを掲げる西郷。今大会は、初日から首位を譲らない完全優勝だった。(C)Getty Images

笑顔でトロフィーを掲げる西郷。今大会は、初日から首位を譲らない完全優勝だった。(C)Getty Images

 国内女子ツアー第5戦『ヤマハレディースオープン葛城』で2週連続優勝を飾った西郷真央。これで今季は5戦3勝の勝率6割になったが、5試合目での3勝到達はツアー史上最速だという。

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 試合内容も5打差逆転あり、完全優勝ありと強い選手が見せる勝ちパターンだ。昨季は2位が7回あり、“シルバーコレクター”化していた西郷がなぜこのような大変身を遂げられたのだろうか。

 2020-21シーズンで50試合に出場し、ツアーのコースセッティングや雰囲気などの環境に慣れたため、自分の実力をしっかりと発揮できるようになったと見れる。しかも、優勝争いを何度も経験し、メンタル的にも鍛えられたことが大きいと言われるのかもしれない。

 しかし、同じようなバックグラウンドを持つ選手はこれまでも数多くいた。それでもいきなり初優勝を飾ってから4試合のうちに2勝を挙げた選手はいない。

 西郷が他の選手と違うのは、自己分析力と対応力の高さにあるのではないか。これはジュニア時代から備わっている要素でもある。16年の世界ジュニア選手権で彼女は6位に入ったが、その後はボールが曲がることを恐れ、ドライバーを思い切れ振れなくなっていた時期があった。

 ヘッドスピードが落ち始めていたとき門を叩いたのがジャンボ尾崎ゴルフアカデミーだった。当時は原英莉花がツアーに出始めた頃で、その圧倒的な飛距離に注目が集まっていた。ジャンボのところで練習できれば何かを得られると考えても不思議ではない。

 その読みは当たり、下半身を中心にしっかりと振ることを意識しながら練習した結果、ドライバーの飛距離は20ヤードほど伸びたという。

 自分に何が不足し、どのような練習をするといいのか理解していたからこその結果だろう。しかも、今やジャンボ門下生なら必ず持っている素振り棒にも早い段階から目を付けていた。

 試作段階だったが自宅でも練習したいので1本欲しいと直訴し、自分に合ったものを頂戴している。もちろん、当時から西郷のゴルフに対する熱心さをジャンボが評価していたから手渡したことは言うまでもない。その素振り棒を振り続けたことでスイングが安定したといい、プロになってからもその姿勢は変わらない。今季の開幕前には重さの違うタイプを1本作ってもらったと笑顔を見せていた。
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