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ゴルフ

なぜ西郷真央は大変身を遂げたのか? 今季5戦3勝の“ジャンボの愛弟子”が他の選手と一線を画す理由

山西英希

2022.04.04

 そんな西郷が、昨季のスタッツを見て何が自分の弱点なのかを見直し、ショートゲームであることに行きつくのは当然だろう。昨年まではショット中心に練習時間を費やしていたため、どうしてもアプローチとパットを練習する時間が少なかった。

「ショットに8割費やしていたので、必然的にショートゲームは2割ぐらいになっていました」と振り返る。しかも、ショットの練習で疲れた状態でアプローチとパットの練習をすることも少なくなかった。

 そこで西郷が考えたのが、ショートゲームの練習を先に行なうことだ。これならば、疲れていることもないし、集中力を高めることもできる。その甲斐あって、『ダイキンオーキッドレディス』ではショートゲームが冴え渡っていた。

 今季5試合の数字を見ても、リカバリー率が76.62パーセント(3位)と、昨季の63.65パーセント(24位)から大きく上がっている。平均パット数もパーオンホールが1.80(15位)から1.75(7位)に、1ラウンド当たりが30.10(59位)から26.69(12位)と劇的に良化。その流れでパーセーブ率も87.70(7位)から92.01(2位)と向上した。

 ショートゲームが安定してくれば、ピンをデッドに狙いやすくなる。グリーンを外して難しいアプローチが残ってもパーセーブできるという余裕があるからだ。

 西郷が勝てるようになった要因もここにある。ショットの精度をキープしながら、ショートゲームを向上させる。まさに自己分析力と対応力の高さがあってこその結果と言えるだろう。

 ジャンボからは、国内メジャーに勝つことを次の課題として与えられているが、それすらもあっさりとクリアしそうだ。

文●山西英希
著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。

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