格闘技・プロレス

井上尚弥、いざバンタム級統一へ! バトラー戦への“自己分析”は?「早いラウンドの決着なんて考えてないです」

THE DIGEST編集部

2022.08.02

リラックスした表情で取材に応じた井上。来るバトラー戦に向けた展望も語った。写真:徳原隆元

 鋭い眼光は、悲願の"バンタム級制覇"のみを見定めている。

 8月15日にWOWOWにて配信されるスペシャル番組に出演したボクシングのWBA・IBF世界バンタム級タイトルマッチを終えた井上尚弥(大橋ジム)が取材に応じ、年内に開催予定となっているWBO世界バンタム級王者ポール・バトラー(イギリス)戦に闘志を漲らせた。

 今年6月7日に行なわれた前WBCバンタム級王者ノニト・ドネア(フィリピン)との同級3団体統一戦を制し、3団体王者となった井上。わずか264秒しか要さなかったTKOによる圧勝劇について「ドネアは出てくるなと思っていた。そこで上手くカウンターを狙えた」と改めて語った"モンスター"は、交渉中とされているバトラー戦に向け、意気込んだ。

「(バトラーの映像は)フルでは見てないですけど、ちょこちょこYouTubeで見ていますね。気が向いて、ポッとバトラーのことが思い浮かんだらぐらいですけど。多く語ることはまだないんですけど、スタイル的に多くの作戦を立てる必要があるなというぐらい。そこだけですね。仕留めるための攻撃の仕方というか、どういう流れで詰めていくかを考えないといけない。あとは癖なんかを見つけて、自分が入り込むときのタイミングを見定めたい」
 
 通算戦績も23戦無敗20KOにまで伸ばした。キャリアの最盛期にある29歳は、文字通り敵なしを誇っている。その圧倒的な強さにはバトラーも「欠点のないボクサーだ。ここ20、30年で最高だ」と脱帽しているほどだ。

 かねてから壮大な目標を公言してきた井上は、「ちゃんと作戦を練って、倒すための準備をしなきゃいけない」と宣言。来る英国戦士との大一番に向け、静かに意気込んでいる。

「自分がムキになって倒そうという気持ちだけでいくと空回りする可能性もある。だから、マロニー戦のように少しずつ弱らせていって、最後にフィニッシュするのがいい。現時点では、バトラー戦では早いラウンドの決着なんて考えてないですから、中盤から後半にかけて徐々に弱らせて、フィニッシュするのを描いてますね」

 冷静な口ぶりで、しっかりと狙いを語った井上。世界最強のチャンプはバンタム級制覇という課題をブレずに見据えている。

取材・文●羽澄凜太郎

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