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「前走で我慢させた」調教師の戦略がはまったリバティアイランドの載冠。二冠馬の忘れ形見が頂点に【阪神ジュベナイルF】

三好達彦

2022.12.14

1番人気の期待に応えたリバティアイランドが阪神ジュベナイルフィリーズを制し、2歳女王の座に輝いた。写真:産経新聞社

 12月12日、2歳女王決定戦となる阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ、阪神・芝1600m)が行なわれ、単勝1番人気に推されたリバティアイランド(栗東・中内田充正厩舎)が豪快に突き抜けて圧勝。離れた2着には12番人気のシンリョクカ(美浦・竹内正洋厩舎)、3着には10番人気のドゥアイズ(栗東・庄野靖志)が入り、3連単は17万8460円の高配当となった。

 一方、上位の評価を受けた2番人気のモリアーナ(美浦・武藤善則厩舎)は12着、3番人気のウンブライル(美浦・木村哲也厩舎)は15着、4番人気のラヴェル(栗東・矢作芳人厩舎)は11着に、それぞれ大敗した。

 有力と見られた馬たちの人気順がレース当日までコロコロと入れ替わり、ファンの迷いが手に取るように分かった一戦。結局、リバティアイランドがオッズ2.6倍と抜けた1番人気に推されたわけだが、彼女はその評価をはるかに超える圧倒的な能力を見せつけた。
 
 予想通りに1番枠から"ロケットスタート"を決めたサンティーテソーロ(美浦・栗田徹厩舎)が先手を取り、ムーンプローブ(栗東・上村洋行厩舎)、リバーラ(美浦・高柳瑞樹厩舎)、イティネラートル(栗東・長谷川浩大厩舎)がそれを追走。モリアーナ、リバティアイランドは中団の後ろ目にポジションを取る一方、ウンブライルとラヴェルは後方からレースを進めた。

 レースは1000mの通過ラップが57秒0という淀みのない速い流れで進み、3コーナー過ぎからは追走に苦しむ馬も散見されるなか、馬群は第4コーナーを回る。

 先頭のまま直線へ向いたサンティーテソーロは、ハイペースで逃げながらも粘りに粘る。しかし、そうはさせまいと中団から脚を伸ばしてきたのがリバティアイランドと、キャリア1戦で臨んだシンリョクカ。特に外へ持ち出されて鞍上にゴーサインを出されたリバティアイランドの伸び脚は強烈で、一気に先団を飲み込むと、馬群をさばいて差してきたシンリョクカに2馬身半差を付けて圧勝を飾った。3着には直線で後方にいたドゥアイズがシンリョクカにクビ差まで迫った。
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