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「中継点ではハラハラ」駒澤大、大八木監督も興奮した往路を制し駅伝三冠へ王手!「復路が大変」名将は兜の緒を締める【箱根駅伝】

THE DIGEST編集部

2023.01.02

19年ぶりに箱根駅伝往路を優勝し、史上5校目となる学生駅伝三冠に王手を懸けた駒澤大の大八木監督。写真:JMPA

「駅伝三冠」の偉業を射程圏内にとらえた。

 第99回箱根駅伝の往路が1月2日に行なわれ、駒澤大学が19年ぶり4度目の往路優勝を果たした。タイムは5時間23分10秒。2位には中央大学が5時間23分40秒で入り、トップとは30秒差。十分に逆転を狙える位置につけた。連覇を狙う青山学院大学はトップと2分3秒差の3位で、明日の復路に挑む。

 駒澤大は1区を務めた円健介(4年)が区間2位の快走を見せると、「花の2区」は4年生エースの田澤廉が激しい首位争いを繰り広げた。「自分の状態があまり上がってこなかった。区間賞に届かない記録で悔しい」と話したが、それでも区間賞(1時間06分22秒)を獲得した中央大の吉居大和(3年)とは12秒差の2位で襷をつなぐ。

 3区の篠原倖太朗(2年)は区間2位、続く4区の鈴木芽吹(3年)は驚異の8人抜きで区間新記録(1時間0分0秒)を叩き出した東京国際大・イェゴン・ヴィンセント(4年)の記録に食らい付き、区間3位の好走を見せトップで襷をつなぐと、5区の山登りに起用された山川拓馬(1年)は、2位の中央大・阿部陽樹(2年)の猛追を振り切り、19年ぶりの往路フィニッシュテープを切った。

 大八木弘明監督は「(山川は)1年生で不安もあったが、『自分は山が得意だ』と言っていた。期待通りの走りをしてくれた」と愛弟子の力走を褒め称えた。
 
 往路優勝については「選手たちがしっかり走ってくれて嬉しい。抜きつ抜かれつの試合で、中継点ではハラハラしていた」と4区までは中央大、青山学院大とともに3チームで目まぐるしく順位が入れ変わる展開に興奮を隠せなかった。駒澤大は区間賞を獲得した選手はいなかったものの、1区から順に2位、3位、2位、3位、4位と上位で襷をつなぎ、トップで芦ノ湖にゴールした。

 今季、駒澤大は10月の出雲駅伝、11月の全日本大学駅伝の2冠を達成しており、史上5校目となる「学生駅伝三冠」に向け、好スタートを切った。去年の12月10日に行なわれた箱根駅伝監督トークバトルでは、慎重な大八木監督が珍しく「今回は優勝を狙っていく」と強気な発言をした。その言葉が、いま現実味を帯びている。

 駒澤大は過去に2度、駅伝三冠に王手を懸けたが1998年は順天堂大に、2013年は東洋大に敗れ、ともに2位と涙を飲んでいる。「復路の方がまた大変かなと思うが、この優勝の流れを明日に向けたい」と名将は気を引き締め、明日の復路に視線を向ける。

 駒澤大が悲願の三冠を掴むのか。第99回箱根駅伝の復路は1月3日、午前8時にスタートする。

構成●THE DIGEST編集部

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