日本が世界に誇る"モンスター"が、次になる野望を語った。

　１月13日、ボクシング世界バンタム級の４団体統一王者の井上尚弥（大橋）は、横浜市内で23年の活動に関する記者会見を実施。本人も明言していたスーパーバンタム級への階級上げについて、より具体的な構想を明らかにした。

　昨年12月13日に有明コロシアムで行なわれたポール・バトラー（英国）戦で、11回KO勝利を飾り、アジア人初となる完全統一を果たした井上。試合後には「自分としてはまだまだ通過点」とスーパーバンタム級への意欲を示していた。

　年が明け、具体的なプランも見えてきた。大橋ボクシングジムの大橋秀行会長、トレーナーを務める父・真吾さんとともに会見に出席した井上は「23年はひとつ階級を上げて、スーパーバンタム級に挑戦していきたい」と改めて断言。バンタム級の４本のベルトを返上し、次のように続けた。
  「体格的には自分ではバンタム級が一番適正と感じている。ただ、このバンタム級ではやり残したことがなく、戦いたい相手がいない。そういう状況でスーパーバンタム級への挑戦を決意した。自分よりデカい相手への挑戦。ここから先が本当の戦いとなるので、自分自身本当にワクワクしています。本当の最終章としてもいいのではないかと思います」

　現在スーパーバンタム級は、スティーブン・フルトン（米国／WBC、WBO同級王者）やムラドジャン・アフマダリエフ（ウズベキスタン／WBAスーパー、IBF王者）が王者として君臨。井上はこの猛者たちに挑んでいくわけだが、当然、自信はある。

「時期と対戦相手は交渉中だと思います。自分の中ではスーパーバンタムのトップ戦線で闘っている誰かと試合ができればと思います」

「階級を上げても４団体統一というのは目指していきたい。２階級で４団体統一というのは、本当に世界初の快挙だと思いますので、そこは目指していきたいと思います。４月で30歳になるんですけど、まだまだ肉体的にもレベルアップしているので、まだまだやれると思います」

　ここまで24戦無敗と文字通り敵なしの強さを誇ってきた井上。その破壊力はステップアップを果たしても見せつけられるのか。23年も"モンスター"に戦いから目が離せない。

構成●THE DIGEST編集部

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