マラソン・駅伝

記録的大雪で「走るのはやめて」と異例のお願いも…ドルーリー朱瑛里の区間新の走りに指揮官も「敬服した」

THE DIGEST編集部

2023.01.29

「晴れの国岡山」駅伝競走大会で区間新の快走を見せたドルーリー。調整不足ながらチーム監督を唸らせる走りを見せた。写真:鈴木颯太朗

 岡山県内市町村別対抗駅伝(「晴れの国岡山」駅伝競走大会)が1月29日、9区間42.195キロで開催された。先日の都道府県対抗女子駅伝で圧巻の区間新記録を達成して注目されるスーパー中学生、ドルーリー朱瑛里(津山市)は3区(3キロ)を9分40秒で走り、区間新記録を樹立している。

【画像】都道府県対抗女子駅伝では驚異の区間新! スーパー中学生、ドルーリー朱瑛里
 5位で襷を受けたドルーリーは3人抜きの快走で、チームを2位に押し上げ、これまでの記録を10秒更新する記録で襷をつないだ。レース後、「コンディションは4割、5割。調整があまりできていなかった」と明かした15歳は、「中間からペースが落ちて、後半も上げ切らずに終わってしまった」と反省の弁。「トップが見える位置で襷を繋げたのは良かった」としたが、納得の出来ではなかったようだ。

 日本付近を襲った猛烈な寒波により、岡山県内は40センチから50センチの記録的な大雪に見舞われた。津山市チーム監督で、同陸上競技協会の川井凡副会長によれば、「この1週間は特に記録的な豪雪で、『走るのはやめてくださいね』」と異例のお願いをしていたという。15日の都道府県対抗女子駅伝からほとんど練習らしい練習ができておらず、レースに関しては「正直、ものすごく不安だった」と明かす。

 しかし、こうした過酷な環境の下においても、きっちりと結果を残したことに、「調整不十分な中でちゃんとレースをまとめたので、そういう意味ではやっぱり凄い」とその確かな実力を改めて実感。さらに、「こういう状況でこれだけ合わせられたというところに監督として敬服した」と讃えた。

 昨年8月には全日本中学校陸上競技選手権の女子1500メートルを制しており、ドルーリーにとっては飛躍の1年に。同監督は「1年前の都道府県対抗女子駅伝も3人のメンバーに選ばれたが、体調が整わずに走る2人のメンバーには選ばれなかった。今になって思えば、逆に彼女にとってそれが起爆剤になったのかなという感じはします」と、今シーズン台頭の舞台裏を明かす。

 次戦は2月5日の全国中学生クロスカントリー大会に出場予定。急成長を見せる新星の今後の走りに注目だ。

構成●THE DIGEST編集部
【画像】まさに激走! またも区間新記録を樹立したドルーリー朱瑛里を特集!

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