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ディープインパクトでもオルフェーヴルでもない...「日本競馬の史上最強馬」はイクイノックスだ!【天皇賞(秋)】

三好達彦

2023.10.31

 最後に敗れた馬たちにも触れておきたい。

 ドウデュースは調教師の友道によると「スタートして少し行ったところで躓いて、そこからハミを噛んで走りが力んでしまったのが響いたようだ」とコメントしている。映像を確認すると、向正面で行きたがるドウデュースを懸命に御する戸崎の姿が見てとれる。このあたり、直前での乗り替わりとなった不運が影響した面があったのかもしれない。

 ただ、立派にパンプアップされた馬体は見栄えするものだったが、約7カ月も実戦から遠ざかったがゆえのレース勘の欠如という問題とともに、やや馬体が立派すぎたのではないかという印象を筆者は感じた。

 ひと叩きされたドウデュースが次走に予定しているジャパンカップでどこまで立て直してくるか、しっかり注目していきたい。

 天皇賞(春)の勝ち馬ジャスティンパレスは、前走の宝塚記念の3着と同様、単なるステイヤーではなく、時計の速い中距離戦でもトップクラスと互角に戦える能力をあらためて示したのは意義深い。特に、上がり3ハロン33秒7という最速の末脚を使ったのは、彼のストロングポイントとして強く印象に残る。
 
 3着のプログノーシスは、札幌記念を制した勢いをうまく天皇賞につなげてきた。中内田調教師が「ベストは2000m」と言っているように、距離が延びるジャパンカップが向かないとジャッジしたら、今春のように年末の香港(GⅠの香港カップ)へ向かうのかもしれない。
 昨年の本レース3着馬で、プログノーシスとはアタマ差の4着に踏ん張ったダノンベルーガ(牡4歳/美浦・堀宣行厩舎)は、どんな流れにも対応できる自在性の高さと堅実さを示した。逆に、GⅠを制するだけの決め手には欠ける弱さもあり、今後、堀調教師がどんな手を打ってくるかに注目したい。
<了>

取材・文●三好達彦
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