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やっぱり汚れた英雄? “中国競泳界の巨星”孫楊はなぜ世界を敵に回してしまったのか

THE DIGEST編集部

2020.12.26

昨年の世界選手権。孫楊と同じ表彰台に上がることを拒否したのがホートン(左)だ。毅然とした態度が称賛を浴びた。(C)Getty Images

昨年の世界選手権。孫楊と同じ表彰台に上がることを拒否したのがホートン(左)だ。毅然とした態度が称賛を浴びた。(C)Getty Images

 ロンドン五輪から2年後の2014年11月、孫楊は中国国内の大会で検査を受け、初めて「クロ」と判定される。禁止されている興奮剤を使ったためで、FINA(国際水泳連盟)から3か月間の資格停止処分を受けた。
【動画】世界選手権優勝の孫楊が記念撮影を拒否した選手に「負け犬め!」と暴言! その決定的瞬間はこちら!

 だがこの大甘な裁定に世界中のスイマーらが反発の意を一斉に示し、メディアも反論を展開する。オーストラリアの自由形スイマーで、リオ五輪400メートルで金メダルに輝いたマック・ホートンは名指しで「薬物違反者だ」と糾弾した。だがその後、ホートンは豪州在住の中国人留学生らに死の脅迫を受けたほか、両親が暮らす実家に夜中の騒音や犬の糞を庭に投げつけられるなど、数え切れないほどの嫌がらせを受けたという。これらをメディアが報じるに至り、孫楊の預かりしらぬところで、悪名が助長されていった。

 そしていまから2年前、件の“ハンマー破壊事件”が起こるのだ。

 抜き打ちのドーピング検査が行なわれたのは、2018年9月4日の夜。中国の杭州市にある孫楊の別荘だった。派遣されたのはドーピングコントロール検査官(女性)、尿採取の担当者(男性)、血液採取の担当者(女性)の3人。それぞれが正式な資格を持つ者であることを証明するIDまたはライセンスを選手側に提示した。孫楊のほか、彼の母である楊明(コン・ミン)さんも立ち会ったという。

 3人の身元を確認した孫楊は承諾書にサインをし、まずはふたつの血液検体採取に応じた。孫楊側はのちに初期段階で身分証明書を提示されなかった、そこに不備があったと強く主張したが、この点において明らかな相違がある。彼は検査官たちをしっかり認知し、最初から受け入れていたということだ。そして検査官が厳重な鍵のかかったボックスに容器を収めた直後、問題が起こった。

 尿検査の担当者が、孫楊の写真を数枚撮影。この行為に違和感を覚えた孫楊が「プロフェッショナルじゃない!」と騒ぎ立て、もう一度、その身分証明書を見せるように詰め寄った。「これは居住者IDでしかない」と断じて、彼が担当するはずだった尿の採取を拒否したのである。

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「サンプルを取り上げることは検査で違反よりも重大な過失につながる」

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