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ラグビー

周りを輝かせる超一流の名手、NTTドコモを押し上げた“ペレナラ効果“の真相

向風見也

2021.03.27

 トップリーグには超一流が集まる。

 2011年度からの7季で合計2度の2連覇というサントリーには、オーストラリア代表有数のボールハンター、ジョージ・スミスがいた。2013年度から3年連続王者のパナソニックでは、同国有数のプレーメーカーたるベリック・バーンズが君臨。いずれもその時々の同僚と、グラウンド内外でシンクロした。

 この間に優勝を争ってきたライバルチームも、多くの名手を招聘。いまなおその傾向は続き、NTTドコモも例外ではない。2011年からの3シーズンは、オールブラックスで長らく正フルバックを張ったミルズ・ムリアイナを、2015年には当時の南アフリカ代表で主軸だったロックのエベン・エツベス、スタンドオフのハンドレ・ポラードを擁していた。
 
 ところが、順位はずっと2桁台に甘んじた。2015年度に至っては、16チーム中最下位に沈み下部に落ちている。ペレナラ加入で好循環を生むNTTドコモには、超一流の力を借りながら苦しんだ歴史があるのだ。

 8年目の佐藤は、「(過去には)チームでひとつになって勝とうというより、強力な助っ人の力で勝とうという感じが多少なりともあった」と語る。裏を返せば、ペレナラ旋風の背景にはペレナラ以外の選手の成長があったとも取れる言葉だ。

 今季、NTTドコモを指揮するのはヨハン・アッカーマン。母国の南アフリカで3度も年間最優秀コーチ賞を獲得した50歳だ。長く在籍する選手によると、2016年以降に就いたなかでもっともタフに練習させるボスだという。

「最初の頃は、『水を飲みに行く時に歩いている奴がいたから、戒めの意味を込めて罰走する』ということが結構ありました。そこには『試合でトライを取られたらすぐに集まって次への会話ができるよう、練習中から変えていく』と明確な意図も示されていて、トップダウンでの恐怖政治という感じではありません」(佐藤)

 日本人スタッフ曰く、合流前はオンラインで持久力と筋力を高めるよう指示。10月に来日すれば、実戦で使える底力をつけた。スクラム練習の合間に、レスリングや走り込みを交えた。

 シーズンが始まれば、リーグの出場枠の関係でメンバー外となった海外出身者が控え用のハードトレーニングで全力を出し切るとのこと。新加入した外国人8名中3名は、前所属先のグロスター(イングランド)でアッカーマンに師事していた。
 

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