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ラグビー

周りを輝かせる超一流の名手、NTTドコモを押し上げた“ペレナラ効果“の真相

向風見也

2021.03.27

 新ヘッドコーチはメリハリも意識する。来日後初の長期合宿では部内で4つに分かれたグループがビーチフラッグ、バレーボールで楽しみながら競い合う。

 食事の前後には「ストーリータイム」を設定する。選手、スタッフが1人ずつ前に出て、それぞれの競技歴や心構えを共有する。相互理解を団結力に変える。

 下沖正博ゼネラルマネージャーは、降格した2015年度の監督でもある。

 当時も厳しい鍛錬期を設けたものの、開幕直前までワールドカップイングランド大会に出ていたポラードらを本当の意味で適応させるのに難儀。何より重要な時期、怪我や疲弊に苦しむ選手を多く出してしまっていた。

「2015年は私自身がコンディショニング、ピーキングの部分でうまくもっていけなかったところがありました」
 
 当時をこう述懐し、監督退任時にもオファーしていたアッカーマンへ期待を寄せる。

「今年はオフの入れ方、調整の仕方をヨハンが配慮している。昨年はコロナの影響でなかなか会うことができず冷や冷や、ソワソワしましたが、合流したら一気にチーム力を上げた。本当に、この人で良かった」 

 佐藤は個人的な感想だと前置きをしつつ、実相を端的にまとめる。

「いまは皆で厳しい練習を乗り越えてきている。日本人のレベルが上がっているから接戦になっていて、最後はTJの個人技で勝っているという感じです。TJが入っただけでは、弱いチームがいきなり強くはならないと思います」

 そう。ファンやメディアが「ペレナラ効果」と謳う現象は、「アッカーマン効果」の重要な構成要素のひとつだったのである。

 ペレナラも、異国出身の指揮官へ敬意を払う。

「チームのマネジメントがうまい。コーチと選手が同じ方向を見られるようにしてくれます。毎朝、選手が練習する前にヨハンさん自身がトレーニングをしています。基準を高く示し、ハードワークしているのを見受けられます」

 4月中旬までのレギュラーシーズンを終えると、順位を決めるノックアウトステージが始まる。真価が問われるのはここからだ。

取材・文●向風見也

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