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【皐月賞】福永騎手のアシストを受け、ジオグリフが寮馬イクイノックスを降して戴冠。日本ダービーの行方はどうだ?

三好達彦

2022.04.21

 さて、一冠目を制したジオグリフは、昨年の札幌2歳ステークス(G3、札幌・芝1800m)を圧勝して注目を集めた。年末の朝日杯フューチュリティステークス(G1、阪神・芝1600m)はドウデュースの5着に敗れていたが、ことし初戦の共同通信杯(G3、東京・芝1800m)でダノンベルーガの2着と復調。今回は外の14番枠という有利さを活かし、またイクイノックスをマークするような動きで終いにかけた福永祐一騎手の好騎乗というアシストもあって、まことに鮮やかな勝利を遂げた。
 
 デビュー前から軽いノド鳴り(喘鳴症という呼吸器の疾病)があることが知られているが、それを克服しての勝利は牧場も含めてのスタッフの尽力があってのことであることは想像に難くない。

 こうした事情もあって楽観視はできないが、力量の面のみに絞れば日本ダービーに向けての視界は良好だろう。

 約5か月ぶりの実戦ながら、直線ではいったん先頭に立って勝利をものにしたかと思わせたイクイノックスもやはり強かった。

 体高があるため490㎏の体重があるものの、まだ全体に薄い(細い)イメージが強い馬体は成長途上を思わせるもの。初年度産駒である本馬を出した父キタサンブラックは、徐々に体を成長させながら強くなったことに特徴があった。疲労のリカバリーに時間がかかるとされるイクイノックスだが、その点を上手くクリアし、さらなる成長を遂げられれば、父が大敗した日本ダービーでの逆転も可能だと見る。

 3着以下を見ると、ドウデュースは予想外のスローペースにはまって、後方待機策が裏目に出たというレース内容。ダノンベルーガは、馬場が悪いインコースに閉じ込められながらも、よく4着に踏ん張ったという印象が強く、評価を下げる必要はあるまい。また逃げて後続の目標にされるかたちになったアスクビクターモアも、本来の控えめに先行するスタイルでレースができれば巻き返しが可能ではないか。

 これに、出遅れが響いてまったくレースにならなかったキラーアビリティまで含めて、今回の上位人気馬が日本ダービーでも中心視されることになるだろう。

取材・文●三好達彦

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