天皇賞・春の勝利後、スペシャルウィーク陣営から二つの発表があった。
一つは、本年いっぱいで現役を引退させること。これは生産界からサンデーサイレンスの後継種牡馬を求める強い要望を受け、早期にスタッドインさせる方向で話し合ったオーナーの臼田浩義と社台グループの意向が一致しての決定だったとされている。
そしてもう一つは、10月にフランスで行われる凱旋門賞(GⅠ、ロンシャン・芝2400m)への挑戦プランである。
春シーズンの締め括りとして次走に選んだ宝塚記念(GⅠ、阪神・芝2200m)は、そのための“壮行レース”の意味合いもあった。
だが、大望を抱いて臨んだ宝塚記念には、これが初対戦となる新たなライバル、2歳チャンピオンにして、前年の有馬記念(GⅠ、中山・芝2500m)を3歳で制した外国産馬、グラスワンダーが待ち受けていた。
1番人気にはオッズ1.5倍という圧倒的支持でスペシャルウィークが推され、前走の安田記念(GⅠ、東京・芝1600m)を2着に取りこぼしていたグラスワンダーは2.8倍となったが、3番人気のオースミブライトの15.9倍という数字を見れば、このレースが“2強対決”に注がれていたことが分かるだろう。
しかし、2頭の激闘をひと目見ようと詰めかけたファンの期待を裏切るように、勝負はあっさりと着いた。
スペシャルウィークが4コーナーを先頭で回る積極的な競馬で逃げ込みを狙うが、それを追走したグラスワンダーが直線の半ばで捉えると、さらに末脚を伸ばし、3馬身もの差を付けて勝利を収めたのである。
荒れた馬場状態が向かなかったという声もあったが、レース後に武が語った「完敗だった」というコメントが陣営のショックの大きさを表わしていた。
この敗戦を受けて、スペシャルウィークの凱旋門賞への遠征プランは白紙に戻された。
約3か月の休養を経て、秋シーズンを京都大賞典(GⅡ、京都・芝2400m)からスタートしたスペシャルウィークだったが、先行策から抜け出しをはかろうとするものの、ずるずると後退して7着に大敗。グラスワンダーにねじ伏せられた宝塚記念における負の印象もまだ強く残っていたため、ファンのあいだではにわかに”限界説”が囁かれるようになった。
一つは、本年いっぱいで現役を引退させること。これは生産界からサンデーサイレンスの後継種牡馬を求める強い要望を受け、早期にスタッドインさせる方向で話し合ったオーナーの臼田浩義と社台グループの意向が一致しての決定だったとされている。
そしてもう一つは、10月にフランスで行われる凱旋門賞(GⅠ、ロンシャン・芝2400m)への挑戦プランである。
春シーズンの締め括りとして次走に選んだ宝塚記念(GⅠ、阪神・芝2200m)は、そのための“壮行レース”の意味合いもあった。
だが、大望を抱いて臨んだ宝塚記念には、これが初対戦となる新たなライバル、2歳チャンピオンにして、前年の有馬記念(GⅠ、中山・芝2500m)を3歳で制した外国産馬、グラスワンダーが待ち受けていた。
1番人気にはオッズ1.5倍という圧倒的支持でスペシャルウィークが推され、前走の安田記念(GⅠ、東京・芝1600m)を2着に取りこぼしていたグラスワンダーは2.8倍となったが、3番人気のオースミブライトの15.9倍という数字を見れば、このレースが“2強対決”に注がれていたことが分かるだろう。
しかし、2頭の激闘をひと目見ようと詰めかけたファンの期待を裏切るように、勝負はあっさりと着いた。
スペシャルウィークが4コーナーを先頭で回る積極的な競馬で逃げ込みを狙うが、それを追走したグラスワンダーが直線の半ばで捉えると、さらに末脚を伸ばし、3馬身もの差を付けて勝利を収めたのである。
荒れた馬場状態が向かなかったという声もあったが、レース後に武が語った「完敗だった」というコメントが陣営のショックの大きさを表わしていた。
この敗戦を受けて、スペシャルウィークの凱旋門賞への遠征プランは白紙に戻された。
約3か月の休養を経て、秋シーズンを京都大賞典(GⅡ、京都・芝2400m)からスタートしたスペシャルウィークだったが、先行策から抜け出しをはかろうとするものの、ずるずると後退して7着に大敗。グラスワンダーにねじ伏せられた宝塚記念における負の印象もまだ強く残っていたため、ファンのあいだではにわかに”限界説”が囁かれるようになった。