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【名馬列伝】見事な復活で天皇賞を連覇!闘志を取り戻したスペシャルウィークが、現役最終戦で見せた気迫のレース<後編>

三好達彦

2022.07.31

 内で粘ろうとする馬たちを他所に、外から2頭が追い込むなか、テイエムオペラオーが抜け出しかかるが、グラスワンダーが勢いにまさり、一完歩ごとに差を詰めてきたスペシャルウィークがそれに並びかけたところでゴール。

 スペシャルウィークの武豊は勝ちを確信し、グラスワンダーの的場均は負けと感じていたという。
 
 しかし、長い写真判定の末、掲示板の1番上にあがった番号は「7」。グラスワンダーが粘り切っていた。スペシャルウィークはハナ差で敗れはしたが、その差は約4センチしかなく、いわゆる「首の上げ下げ」で決まった火花散る死闘と言えるレースだった。

 この年のJRA賞年度代表馬の候補は、フランスでGⅠレースを勝ち、凱旋門賞で2着に入ったエルコンドルパサー、スペシャルウィーク、グラスワンダーの3頭に票が割れ、選考委員会での審議の末、エルコンドルパサーに決まった。そして、選から漏れたスペシャルウィークとグラスワンダーの2頭は、それに準ずるという意味を込めて「特別賞」が贈られた。

 種牡馬となったスペシャルウィークは、シーザリオ(GⅠ2勝)、ブエナビスタ(GⅠ7勝)という名牝を輩出。特にシーザリオは繁殖入りしてからエピファネイア、リオンディーズ、サートゥルナーリアと3頭のGⅠ馬を産み、名牝シラオキの血をいまに繋いでいる。
(文中敬称略/後編・了)

文●三好達彦
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