その根拠となるのが、昨年の成績だ。申は『住友生命Vitalityレディス東海クラシック』から8試合に出場したが、一度も予選落ちがなく、485・78ポイントを獲得している。山下は同大会から11試合に出場。なんと3勝を挙げ、652・50ポイントを獲得した。もちろん、シーズンによって成績は大きく変わるが、データとして好結果を出しているだけに、終盤戦の試合に苦手意識は2人ともないだろう。上位2人が終盤戦でポイントを稼ぐと、後続の選手は苦しくなる。
となれば、悲願達成を狙う申か、2年連続年間女王を狙う山下のどちらが上にいくかだが、山下に分があるように感じる。海外では結果を出せなかったものの、国内では出場した直近12試合中11試合でトップ10入りし、3勝を挙げている。唯一トップ10を外したのは、熱中症により最終日に棄権した『CAT Ladies』だが、その試合でも最終日の前日までは4位タイにいた。平均ストローク69・3984(1位)の数字が示すように、とにかくオーバーパーを打たない。「セットアップとリズムに気をつけ、目の前の1打に集中するだけです」と、ラウンド中のポリシーも変わらない。安定感では群を抜くだけに、昨年並みにポイントを稼ぐことは十分あり得る。
一方の申も国内では出場7試合連続トップ10入りなど安定感では負けていない。年間女王とともに、永久シードを獲得できるツアー30勝まであと2勝に迫っているだけに気合も入る。耐えるゴルフをできると同時に爆発力もあるだけに、このまま逃げ切ることも考えられるが、21年以降は秋に優勝していないのが気になる。体力面がどこまで持つか、ここから何試合に出場するかにもよるだろう。最終戦までもつれる雰囲気はあるが、現在2位ながらも、体力と安定感で上回る山下が最終的に年間女王の座につくのではないか。
構成●THE DIGEST編集部
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構成●THE DIGEST編集部
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