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競馬

フォーエバーヤングが世界最高15億円を獲得できたワケ。驚異的な二の脚を引き出し、奇跡的な逆転勝利を手繰り寄せた鞍上の見事すぎた手綱さばき【サウジC】

三好達彦

2025.02.24

フォーエバーヤングを勝利に導いた坂井騎手(左)はガッツポーズを繰り出した。(C)Getty Images

フォーエバーヤングを勝利に導いた坂井騎手(左)はガッツポーズを繰り出した。(C)Getty Images

 各馬揃ってのスタートとなり、大外の14番枠から出たフォーエバーヤングは徐々に内へ切れ込みながら、逃げ馬を先に行かせつつ、3番手の好位置をキープ。対して3番枠からスタートしたロマンチックウォリアーはやや控えて、キックバックを気にすることなく馬群の中団を追走した。

 動きが激しくなったのは第3コーナー付近のこと。馬群の外へ持ち出したロマンチックウォリアーがまくって先団に迫ると、内を進むフォーエバーヤングも鞍上の坂井瑠星騎手もハミをかけてスパート態勢に入る。

 そして直線入り口。ロマンチックウォリアーが外から被せるようにフォーエバーを交わして先頭に立つと1馬身、2馬身と差を広げる。レースを見るものは誰しも”勝負あったか”と感じたその直後だった。外へ進路を取り直したフォーエバーがエンジンに再着火して追撃を開始。じわじわと差を詰めると馬体を並べるところまで持ち込み、最後の30~20mでわずかにロマンチックウォリアーを交わして逆転! 驚異的なタフさと奇跡的な勝負強さを発揮して、あまりにもドラマティックな激闘を制した。
 
 坂井瑠星騎手は、「レースには自信を持って乗り、特にプランは決めていませんでしたが、できればロマンチックウォリアーの前で勝負したいなと思っていました。考えられる中で一番理想的なレースができました」と冷静に振り返った。

 また矢作調教師は、「最後の直線は馬を信じるしかなかったのですが、これで前の馬を交わすことができたなら映画よりも素敵だなと思いました。私が手がけた馬の中でも最高の馬だなと確信しました。2回目でもこれほど感激するものだな、と自分でもびっくりするくらい嬉しいです」と、2年前にパンサラッサで制覇して以来、2度目の快挙に喜びを露わにした。
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