その中間の出来事。調教で稽古駆けすることで知られたスピードワールドと同じ時間帯に馬場入りしたサニーブライアン。結果として併せ馬にはならなかったものの、スピードワールドを煽るほどの動きを見せ、その急激な成長ぶりが周囲を驚かせた。そしてその調教後、スピードワールドに跨った騎手の田原成貴は「あの馬、かなり強いね」とサニーブライアンの走りを称賛。辛口で慣らす田原のコメントは報道陣をざわつかせたという。
迎えた日本ダービー。皐月賞と同じように外枠から出て逃げたいと考えていた大西は自ら枠順抽選に臨み、またも希望どおりに大外の18番枠を引き当てる“強運”を発揮。単勝オッズ13.6倍の6番人気という、とても皐月賞を快勝した馬とは思えないほどの低評価を受けた相棒と運命の一戦へと向かった。
メジロブライト、サイレンススズカ、シルクジャスティス、マチカネフクキタルと、のちにGⅠホースとなる精鋭が揃った第64回日本ダービー。18番枠から飛び出したサニーブライアンはダッシュを決めて、迷いなく内へ切れ込みながら先頭を奪う。勝負はこの瞬間に決まったと言ってよい。先頭に立った彼は鞍上の落ち着き払ったレース運びを受け入れ、見事に折り合って進み、直線に入ると素早くスパート。一気に後続を突き放して数馬身のリードを取ると、大外から追い込んできたシルクジャスティスを1馬身抑えて先頭でゴール。大西は馬上で立ち上がり、二度、三度とステッキを持った左手を突き上げて歓喜を表した。
レース後のフラッシュインタビューで、のちに語り継がれる名言が大西の口から発される。今回も人気薄でしたが…と向けられた質問に対して「評価はどうでもよかった」と答えたあと、こう続けた。
「1番人気はいらないから、1着だけほしいと思っていました」
その後、三冠へ向けての抱負を語った大西だったが、骨折が判明した相棒がターフへ帰ってくることはついに無かった。骨折が癒えたのち、復帰を目指しての調教中に屈腱炎を発症。サニーブライアンは能力の全貌を表さないまま現役を引退した。
いまも評価が定まらないサニーブライアンだが、筆者は私たちが思うよりずっと強かったのではないかと考えている。彼があまりに急激な成長曲線を描いたために、周囲の評価がそれに付いていけなかったからではないか、と。サニーブライアンが菊花賞を、また古馬の中長距離路線を走る姿が見られなかったことは本当に残念なことだったとあらためて思う。
文●三好達彦
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迎えた日本ダービー。皐月賞と同じように外枠から出て逃げたいと考えていた大西は自ら枠順抽選に臨み、またも希望どおりに大外の18番枠を引き当てる“強運”を発揮。単勝オッズ13.6倍の6番人気という、とても皐月賞を快勝した馬とは思えないほどの低評価を受けた相棒と運命の一戦へと向かった。
メジロブライト、サイレンススズカ、シルクジャスティス、マチカネフクキタルと、のちにGⅠホースとなる精鋭が揃った第64回日本ダービー。18番枠から飛び出したサニーブライアンはダッシュを決めて、迷いなく内へ切れ込みながら先頭を奪う。勝負はこの瞬間に決まったと言ってよい。先頭に立った彼は鞍上の落ち着き払ったレース運びを受け入れ、見事に折り合って進み、直線に入ると素早くスパート。一気に後続を突き放して数馬身のリードを取ると、大外から追い込んできたシルクジャスティスを1馬身抑えて先頭でゴール。大西は馬上で立ち上がり、二度、三度とステッキを持った左手を突き上げて歓喜を表した。
レース後のフラッシュインタビューで、のちに語り継がれる名言が大西の口から発される。今回も人気薄でしたが…と向けられた質問に対して「評価はどうでもよかった」と答えたあと、こう続けた。
「1番人気はいらないから、1着だけほしいと思っていました」
その後、三冠へ向けての抱負を語った大西だったが、骨折が判明した相棒がターフへ帰ってくることはついに無かった。骨折が癒えたのち、復帰を目指しての調教中に屈腱炎を発症。サニーブライアンは能力の全貌を表さないまま現役を引退した。
いまも評価が定まらないサニーブライアンだが、筆者は私たちが思うよりずっと強かったのではないかと考えている。彼があまりに急激な成長曲線を描いたために、周囲の評価がそれに付いていけなかったからではないか、と。サニーブライアンが菊花賞を、また古馬の中長距離路線を走る姿が見られなかったことは本当に残念なことだったとあらためて思う。
文●三好達彦
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