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競馬

信頼置ける“皐月賞出走組”。過去10年の優秀数値「7.2」から導かれる今年の主役候補【日本ダービー】

三好達彦

2025.05.31

 皐月賞馬にリスペクトを欠くとは思うが、ミュージアムマイルは4番手に止める。その理由は次の二つだ。

 一つは、父リオンディーズという血統的な疑問である。リオンディーズは2歳時に朝日杯フューチュリティステークス(GⅠ)を制したものの、弥生賞(GⅡ)が2着、皐月賞が5着(降着)、そして日本ダービーが5着と、距離延長に対応しきれず、同時に成長力に欠けた印象が強い。種牡馬としては、昨年の天皇賞・春(GⅠ)を制したテーオーロイヤル(母の父マンハッタンカフェ)を出してはいるが、これは例外的なもので他の活躍馬はいずれも1600~2000mをテリトリーとしたマイラー色の強い馬である。それゆえ、400mへの距離延長にはいささか疑問が残るのである。

 もう一つは、皐月賞の勝利があまりにも鮮やかすぎたことだ。筆者は皐月賞のレビューで以下のように同馬を絶賛した。

「勝ったミュージアムマイルは向正面で左右の馬に馬体をぶつけられてバランスを崩しそうになるシーンもあったが、それを慌てずに落ち着かせたジョアン・モレイラ騎手の巧みな手綱さばきもあって、見事な逆転劇を演じて見せた。これまでは好位差しを常としていたが、今回は過去随一の切れ味を繰り出してビッグレースを制したのだから、それを賞賛する以外にない」

 繰り返しになるが、それほど稀有な騎乗であり、秀逸なレース運びだったと見ている。ならば、果たしてこういう“マジック”が日本ダービーでも起こるのか?というのが疑問点だ。今回は手綱が天皇賞(春)を制したダミアン・レーン騎手に渡ることとなり、その手腕を疑うものではないが、あれほどの快走をミュージアムマイルにもたらせるとは思えないのだ。あくまで「押さえ」としてのピックアップにとどめたい。
 
 上位人気の集団からやや離れた評価に落ち着いているサトノシャイニングだが、あまり支持率が高くないがゆえに大胆な戦い方をできる馬に乗せたときの武豊騎手はとにかく怖い印象だ。このキズナ産駒には、ディープインパクトからの日本ダービー父仔三大制覇がかかっている。リビング・レジェンドが自身の持つダービー勝利記録『6』をさらに更新できるかというのも、今年の大きなトピックだ。

 その他にマークしておきたい4頭をピックアップする。3戦3勝のファンダム(牡3歳/美浦・辻哲英厩舎)は毎日杯(GⅢ)を上がり32秒5という鬼脚で制した。その再現はなるか。現役最多の3勝を挙げ、「ダービーの勝ち方を知るトレーナー」と呼ばれる名伯楽のもとで育ち、京都新聞杯(GⅡ)は2着に2馬身半差をつける圧勝を飾ったショウヘイ(牡3歳/栗東・友道康夫厩舎)は勢い十分。エリキング(牡3歳/栗東・中内田充正厩舎)は皐月賞で11着に大敗した。二桁着順で敗れた馬の巻き返しは非常に困難だと思うが、前走は骨折放牧明けであったことを考慮して印を打つ。そして、1勝馬ながら相手なりに走る能力がある青葉賞(GⅡ)2着のファイアンクランツ(牡3歳/美浦・堀宣行厩舎)も連下候補として抑えておきたい。

文●三好達彦

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