プロ野球

【どこよりも早い2021ドラフト候補ランキング:1~10位】1~9位はいずれも投手!公立校の高校生右腕がトップの座に

西尾典文

2021.01.04

早川に勝るとも劣らない素質を持つ佐藤(左)、高校生離れした実戦力が自慢の小園(中)、そして野手ではピカイチの徳丸(右)。向こう1年でどれだけ成長を見せてくれるか注目だ。写真:徳原隆元、西尾典文

 コロナ禍の影響で昨年11月に予定されていた明治神宮大会は中止されたが、高校野球の秋季大会、大学野球の秋季リーグ、そして東京五輪の影響で冬開催となった都市対抗野球は無事に行われるなど、2021年のドラフト戦線は活発に動き始めている。実際、秋から冬にかけて評価を上げた選手も少なくない。年間300試合以上アマチュア野球を取材しているスポーツライターの西尾典文氏が現時点での2021年ドラフト候補ランキングベスト50を選定。果たしてトップ10はどんな面々だろうか?

【表】2020ドラフト候補ランキング1~50位一覧

▼1位:小園健太[投手・市立和歌山高]
(こぞの・けんた/右投右打)
将来像:金子弌大(日本ハム)
 好素材の多い高校生投手の中でも現時点でナンバーワンと言える存在。打者の手元で鋭く横に滑るカットボール、落ち方にバリエーションのあるツーシームなどの変化球は高校生とは思えないレベルだ。打者の様子を見ながらテンポ良く打ち取ることができ、試合を作る能力が高い。秋の近畿大会では3試合、22回を投げて防御率0.41、WHIP0.55と圧巻の成績を残した。ストレートのスピードがアベレージで145キロを超えてくれば、間違いなく2021年ドラフトの目玉となるだろう。
タイプ診断:#大型本格派右腕 #多彩な変化球 #スター候補

▼2位:佐藤隼輔[投手・筑波大]
(さとう・しゅんすけ/左投左打/仙台高)
将来像:今永昇太(DeNA)
 仙台高時代から注目を集めたサウスポー。筑波大進学後は1年秋から先発の一角に定着すると、デビューからいきなり44.2回連続無失点を記録し、2年時から大学日本代表にも選ばれるなどリーグを代表する投手へと成長した。軸足一本で真っすぐきれいに立ち、体の近くを沿うようにスムーズに腕を振れるフォームが最大の特長。高校時代は140キロ前後だったストレートが、大学ではコンスタントに145キロを超えるようになり、昨年は150キロの大台も突破している。順調にいけば昨年の早川隆久(早稲田大→楽天1位)に匹敵する存在となる可能性を秘めている投手だ。
タイプ診断:#ミスター0 #本格派サウスポー #フォーム◎
 
▼3位:広畑敦也[投手・三菱自動車倉敷オーシャンズ]
(ひろはた・あつや/右投右打/玉野光南高→帝京大)
将来像:槙原寛己(元巨人)
 2021年の社会人球界を代表する右腕。帝京大時代にも150キロをマークするなど注目を集めていたが、社会人1年目で更にスケールアップ。都市対抗では前年優勝のJFE東日本を相手に開幕戦で1失点完投勝利を収めると、2回戦でもリリーフで3.1回をパーフェクトと圧巻の投球を見せた。コンスタントに150キロを超えるストレートは数字以上の勢いがあり、打者の胸元、アウトローとしっかり投げ分けるコントロールも見事。カットボール、フォークも決め球として十分使えるボールだ。即戦力という意味ではナンバーワンと言える存在だろう。
タイプ診断:#即戦力 #剛腕

▼4位:椋木蓮[投手・東北福祉大]
(むくのき・れん/右投右打/高川学園高)
将来像:増田達至(西武)
 大学球界を代表するリリーフタイプの本格派右腕。3年秋は抑えとして5試合、8回を投げて無失点、15奪三振と圧巻の投球を見せてMVPに輝いた。躍動感溢れるフォームと強さと柔らかさを兼ね備えた腕の振りから投げ込むストレートはコンスタントに150キロを超え、カウントをとるスライダー、決め球のフォークも高レベルだ。大学生にしては少し細身だが、体ができてくればさらなるスケールアップも期待できる。
タイプ診断:#リリーフタイプ #柔軟性