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【座談会:大谷翔平メジャー2年間の総括と今後①】スラッガー執筆陣3人が徹底討論! 大谷の「メジャー最初の2年」を採点

スラッガー編集部

2020.01.01

1年目には二刀流でメジャーに一大センセーションを巻き起こし、2年目は日本人初のサイクルヒットを達成するなど活躍した大谷だが、「故障の多さ」という課題も露わになった。(C)Getty Images

 大谷のメジャー2年間が終了した。1年目は二刀流に挑み、2年目は打者に専念。鮮烈な活躍と同時に「故障の多さ」という拭いきれない課題も露見した。二刀流が再始動する今年はどうなるか。『スラッガー』の強力執筆陣3人が、大谷の「今まで」と「これから」を徹底的に討論してくれた。

■メジャー最初の2年間は成績面では及第点も怪我の多さがマイナス

――まず、メジャーでの2年間の大谷を総括してください。メジャー行きが決まった時、皆さんの中での活躍のイメージ、二刀流が成功するかどうかなど、何らかの印象を持っていたかと思います。その予想や期待と、実際にここまでの2年を比べてみて、いかがでしょうか?

出野哲也(出野):パフォーマンス的には予想通りですね。日本での2016年シーズンくらいからメジャーでプレーできると思っていたので。ただ、怪我が多いので、そういう意味では期待を下回っていますね。23歳でアメリカに来て、ある程度は身体ができ上がっていると思っていたので、そういう面でも怪我が多くなるとは思っていなかったです。アクシデント的なのはあったけど、その点ではやっぱり期待に添えていない。

――二刀流についてはどうでしょう? 厳しいと思っていた人も多かったですよね。

出野:日本と同じような起用法ができれば、つまり中4日ではなくて6日で投げさせて、その間にDHで使えばたぶんできるだろうなと。ただ、メジャーでは前例がないし、システム的にも本当に6日空けて使うのかな? とは思っていました。
 
――大谷は入団時点でヒジに部分損傷を抱えているとの報道がありましたよね。いずれは危ないなと思っていましたか?

出野:エンジェルスでも日本の時と同じような形で使われていたので、そんなにひどいことにはならないんじゃないかと思っていました。だけども、あれだけ速い球を投げるピッチャーだと、やはりヒジの故障はしょうがないのかな。松坂大輔のように、練習でも試合でも球数を多く投げるタイプではなかったですし、ものすごく大事に使っていたので、いきなり怪我をするとは思っていなかったですね。

豊浦彰太郞(豊浦):私は、バッターとしては相当苦しいだろうと思っていました。実際に1年目の3月にスプリング・トレーニングで見た時、本当に下の下の状態でした。ちょうどその時、ジェフ・パッサンが「大谷の打撃は高校生級」というスカウトのコメントを載せた記事が出ていましてね、その前日くらいかな。クレイトン・カーショウ(ドジャース)のカーブに腰が引けた無様な三振をしていて。「左ピッチャーダメです」「バットに当たるとゴロです」「フォームは腰砕けです」みたいな悪い点ばかりが出ていた。