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大学野球

中日レジェンドも絶賛“次世代の名遊撃手”宗山塁(明治大)が目指す進化形の守備とは?【神宮を沸かせる男たち①】

矢崎良一

2023.06.06

 この春のリーグ戦、試合のある日にも早朝から自主練習でグラウンドに出てコーチのノックを黙々と受け続ける宗山の姿を見て、田中監督も「これなら大丈夫だな」と成長の手応えを感じている。宗山も、それが土台となっていることを自覚している。
 
「何より一番の練習はノックを受けること。それを毎日続けることですね。守備は、やれば誰でもうまくなるものだと思います。それも毎日続けることで、自分の守備が上達していることを実感できますから。バロメーターなんです。だから休みが空いてしまうと、実感することが難しくなる。毎日打球を受けることが上達に繋がるんです。前は捕れなかった打球に追いつけるようになったり、スムーズに処理出来なかったのが上手く足が運べるようになったり、毎日受けていることで、良くなったことがわかる。毎日やることが重要なんです」

 なぜそこまで守備にこだわるのだろう?  それは野球選手として生き残るための知恵でもあった。

「結局、監督が信頼して試合に送り出せるのは、守備が堅い選手なんです。そこの信頼があってこその起用になります。だから、その信頼感、安心感というのは、試合に出る上で、一番大事なことだと思っていました。好き嫌いで言ったら、そりゃバッティング、好きですよ。でも、まず試合に出ないと何も始まらない。試合に出るために、監督からの信頼を得るために、守備は一番重要なんです」

 実際に、神宮デビューも守備からだった。1年生の春、3カード目の法大戦で、途中交代でショートの守備に就き、そこから3度打席に立って2安打。法大のエース三浦銀二(現・DeNA)から初ホームラン。この活躍で翌日の第2戦、「8番ショート」で初スタメンを勝ち取る。以来、現在までフル出場を続けている。

 宗山にとっては、それも想定して、準備していたからこその結果でもあった。
「もし1年生でまだ実績のない自分に出番があるとしたら、守備から試合に入って、その後に何打席か立つというケースです。そしたら、どう守ろうか? どういう打球が来るんだろう? このピッチャー、初球、何から入ってくるか? ベンチにいても、試合に出ているつもりで見ていました。そこまで深く準備していたので、すんなりとゲームに入っていけた面があります」
 
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