この春の細野は、目一杯に力を入れなくてもコンスタントに140台後半の球速が出るようになっている。「それはトレーニングの成果だから、結果が出てきてるんだよ」と乾は伝えている。その結果が、2部とはいえ力のある打者が並ぶ中で5勝0敗、防御率0.82、44イニングを投げて58奪三振という成績に表れている。乾はむしろ、4月、5月とコンディションを上げすぎないようにストップを掛けていた。リーグ戦の段階で、ピークに持って行きたくなかったからだ。「勝負は入れ替え戦。そこで100に行けばいい」と何度も繰り返し言い続けた。
1年前の入れ替え戦の後、細野は東亜学園の武田監督に「すみません」と電話を入れていた。試合の前「全部一人で投げきる気でいけ」という武田監督に、細野は「3連投するつもりです」と話していたという。「私も大学でコーチをしていた人間ですから、入れ替え戦の厳しさはわかっています。去年もその覚悟はあったけど、体力がもたなかったのでしょう。だったら、その力を付けなくてはダメ。それが大学野球のエースというものだと私は思っています」と武田監督は言う。
「自分では早く完成したいと思っているんですけど、なかなか難しいというか」と細野は苦笑する。スカウトたちは、ここまで制御してきたアクセルを目一杯踏み込んだ細野の「100」の姿を見定めるために、神宮球場のネット裏に集結するだろう。その結果次第で、今秋のドラフト戦線も大きく動き出す。
細野は穏やかな表情でこう言う。
「ドラフトのことは、今はそんなに意識していないんですよ。何球団が競合とか、そこにはあまり興味はなくて、僕はスタート地点はどこでもいい。ただ、最後に負けたくなくて。野球を辞めるときに、この学年の一番上に立っていたい。今は佐々木朗希とか宮城とかが活躍していても、最終的に勝てたら良いかな、と。『やっぱりこの世代は細野だったな』と言われるのが、僕の目標です」
23日から、東都リーグ入れ替え戦が始まる。細野が3年越しのストーリーをどう完結させるのか、しっかりと見届けたい。
取材・文●矢崎良一
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「ドラフトのことは、今はそんなに意識していないんですよ。何球団が競合とか、そこにはあまり興味はなくて、僕はスタート地点はどこでもいい。ただ、最後に負けたくなくて。野球を辞めるときに、この学年の一番上に立っていたい。今は佐々木朗希とか宮城とかが活躍していても、最終的に勝てたら良いかな、と。『やっぱりこの世代は細野だったな』と言われるのが、僕の目標です」
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