専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
NBA

大学生を0点に封殺。“史上最高のバスケ集団”ドリームチームが見せた狂気じみた競争心【NBA秘話・前編】

大井成義

2020.12.14

大学生との練習試合に敗れたドリームチームは、翌戦で相手に1点も与えない怒りのプレーを炸裂させた。(C)Getty Images

大学生との練習試合に敗れたドリームチームは、翌戦で相手に1点も与えない怒りのプレーを炸裂させた。(C)Getty Images

 今やNBAの人気は世界中に及んでいるが、そのきっかけとなったのは1992年のバルセロナ五輪に出場したドリームチームだ。ダントツの実力を誇った“史上最高のバスケ軍団”は、全試合で30点以上の大差をつける圧勝劇で金メダルを手中にした。だが、彼らが余裕しゃくしゃくだったのは、試合が行なわれたアリーナの中だけ。練習場では、“仲間”同士で激しいバトルを繰り広げた。今回のNBA秘話は、彼らが五輪の舞台裏で見せた、トップアスリートならではの狂気じみた競争心を示す逸話を紹介する。

■世界中の国々に大きな転換点をもたらした元祖ドリームチーム

 “歴史上のあらゆるスポーツチームのなかで、最も偉大なチーム”と謳われているのが、1992年のバルセロナ・オリンピック時に結成されたアメリカの男子バスケットボールチーム、通称“ドリームチーム”だ。それまでアマチュアのみに参加が許されていたオリンピックのバスケットボール競技に、初めてプロの参加が認められ、文字通り夢のような豪華メンバーが集結したのである。
 
 その破壊力、さらには影響力たるや凄まじく、本国アメリカのみならず、世界中の国々のバスケットボールシーンに、“ドリームチーム以前・以降”という巨大な転換点をもたらすことになる。わずか11人のNBA選手が、バスケットボールの世界地図をひと夏で決定的に塗り替えてしまったのだ。

 その中央にそびえ立っていたのが、バスケットボールの神様と称されたマイケル・ジョーダン。リーグ連覇を成し遂げたタイミングと相まって、ジョーダン人気は地球規模へと拡大した。さらには1980年代のスーパースター、ラリー・バードの現役最後の勇姿や、当時は不治の病とされていたHIV患者のマジック・ジョンソンの元気な姿を拝めるなど、話題には事欠かなかった。ドリームチーム・フィーバーは様々な相乗効果を伴って、選手自身や関係者ですら驚きを隠せないほどの、超社会現象へと発展していくことになる。
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号