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NBA

大学生を0点に封殺。“史上最高のバスケ集団”ドリームチームが見せた狂気じみた競争心【NBA秘話・前編】

大井成義

2020.12.14

ヒューストン:「体育館に着くと、バルコニーがあってコートを見下ろせたので、すぐにはコートに入らなかった。そこから練習を眺めていると、バークレーがダンクをぶちかまし、マイケルはスティールを奪い、そのままレーンの外から離陸してダブルポンプでダンクを決めている。『うわっ、彼らは練習でもこんなハイレベルでプレーしてるのか?』、そう言って俺たちは顔を見合わせたよ」

クリスチャン・レイトナー:「大学のチームメイトがバルコニーから見ていたのを覚えている。バークレーがマローンに豪快なサンダーダンクをお見舞いすると、彼らの顎は床まで落ちていたよ」

クレイグ・ミラー(USAバスケットボール広報部長):「コーチ・(チャック)デイリーは、カレッジ選抜チームのコーチに、インターナショナル・プレーヤーのようにプレーしてほしいと告げていた。相手が3ポイントライン付近まで来たら、とにかくボールを奪い取れってね」
 
ペニー:「彼らは、『オッケー、若手相手に軽くウォームアップでもやろうや。サクッと片付けて、サインを数枚書いてやって、楽しんで帰ってもらおう』みたいなノリだった。連中は俺たちがどれだけのタレント揃いか、知らなかったんだ」

バークレー:「対戦相手を初めて見た時、まるで赤ん坊のように見えたぜ。俺たちは、『おい、あの小さいガキどもを殺すんじゃねえぞ』ってなもんだった。そしたらあいつらは、まるでプレーオフの第7戦みたいにプレーしやがった。俺たちは気付く前に、アップセットをくらったってわけよ」

ヒューストン:「ゲームは20分制で、時計のブザーが試合終了を告げると、得点は俺たちの方が上回っていた。誰もがきまりが悪そうに、あたりを見回してたよ。まるで起きてはいけないことが起きてしまった、みたいな。数分間、誰も何も喋らなかったと思う」

 54対62で、カレッジ選抜チームの勝利。

ミラー:「私が覚えているのは、試合が終わってメディアを体育館に入れる前に、チャックが『スコアボードを消せ!』と言ったことだ」
 
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