NBA

誰も予想し得なかったサンダーの快進撃。今季No.1サプライズチームの好調の要因とは?

秋山裕之

2020.01.10

開幕前の低評価を覆し、サンダーはここまで見事な成績を残している。(C)Getty Images

 2019-20シーズンの開幕前、オクラホマシティ・サンダーの下馬評は決して高くはなかった。

『ESPN』のパワーランキングではリーグ19位、ウエスタン・カンファレンス内でも10位という低評価。昨夏にヒューストン・ロケッツからトレードで加入したクリス・ポールについても、早い段階で強豪チームに放出されるだろうとの予想が大半を占めていた。

 事実、最初の15試合を終えた時点でサンダーは5勝10敗と早くも借金生活。ただ、特に驚くような戦績でもなく、昨オフにポール・ジョージ(現ロサンゼルス・クリッパーズ)とラッセル・ウエストブルック(現ロケッツ)がチームを去ったのだから、当然と言えば当然の結果だろう。両選手のトレードで得た豊富なドラフト1巡目指名権を元に、再建に乗り出すものだと多くの識者が考えていた。
 
 ところが、そこからチームは徐々に勝ち星を伸ばし、ウエスト上位へと名乗りを上げる。12月は11勝4敗と大きく勝ち越したばかりか、年が明けてからもアウェー4連戦を3勝1敗で乗り切るなど好調をキープ。12月以降の成績はマイアミ・ヒートと並びリーグ2位の14勝5敗で、彼らの上にはミルウォーキー・バックス(16勝3敗)しかいない。

 現在、サンダーはウエスト7位の21勝16敗。ここまでの好成績を残せている要因として挙がるのは、キャリア2年目を迎えたシャイ・ギルジャス・アレキサンダーの成長、チームの舵を取るポールの勝負強さ、そしてシックスマンを務めるデニス・シュルーダーの活躍だろう。

 ジョージとのトレードで加入したギルジャス・アレキサンダーは、昨季のほぼ倍増となる平均19.8点に加え、5.3リバウンド、2.8アシスト、1.22スティールと飛躍。キャリア15年目を迎えたベテランのポールも平均16.6点、5.1リバウンド、6.5アシストをマークするほか、クラッチタイム(第4クォーター残り5分で5点差以内の時間帯)ではリーグトップの105得点を稼ぎ出している。シュルーダーは全試合でベンチ出場ながら、チーム2位の平均18.5点、3.7アシストと絶好調だ。
 
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