専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
NBA

1位候補が乱立した2006年ドラフト。印象に残るのは「神様ジョーダンの見る目の欠如」と「ケガに泣いた悲運のスコアラー」【NBAドラフト史】

大井成義

2020.04.09

いの1番に名前を呼ばれたのはイタリア出身のバルニャーニ。ただ、この指名には本人も驚いたという。(C)Getty Images

いの1番に名前を呼ばれたのはイタリア出身のバルニャーニ。ただ、この指名には本人も驚いたという。(C)Getty Images

 そんな10年前の悔しい経緯を知ってか知らぬか、ラプターズの代表としてロッタリーに参加したブライアン・コランジェロは、チーム初の1位指名権獲得に満面の笑みを浮かべながら、柄にもなく両手でガッツポーズを披露している。ロッタリーの3か月前に球団社長兼GMに就任したばかりの彼にとって、初めて手掛ける重要な仕事であり、思いがけずもたらされた幸運だった。

 この年のドラフトクラスには、前年と同じく確固たるNo.1候補が見当たらなかった。それでも、前年は本命にボーガット、僅差でマービン・ウィリアムズ(現バックス)が続くという二者択一の状況だったが、この年はかつてないほど混沌としていた。

 1位指名候補に挙げられていた選手は、アンドレア・バルニャーニ(イタリア・セリエA/ベネトン・トレヴィーゾ/20歳)、ラマーカス・オルドリッジ(テキサス大2年)、アダム・モリソン(ゴンザガ大3年)、ルディ・ゲイ(コネティカット大2年)といった面々。ドラフト間際になってバルニャーニにスポットライトが当たり始めたとはいえ、誰が1位で指名されてもおかしくない状態だった。

 その他の関心事として、1つの大学から何人の選手が指名されるかにも注目が集まった。前年のドラフトでは、NCAAトーナメントの覇者ノースカロライナ大からの指名選手数が話題となったが、この年の注目大学はコネティカット大。NCAAトーナメントではエリート8で敗退したものの、シーズンを通してデューク大とランキング1位を争った同大には、ゲイを筆頭に優秀な人材が顔を揃えていた。
 
■1位指名は本人も予想外だったイタリア人のバルニャーニに

 2006年6月28日、おなじみニューヨークのマディソンスクエア・ガーデン内にあるザ・シアターでNBAドラフトは開催された。直前に発表された主要メディアのトップ5予想は次の通り。

●NBA.com
1位 バルニャーニ
2位 タイラス・トーマス(ルイジアナ州大1年)
3位 オルドリッジ
4位 ゲイ
5位 モリソン

●SI.com(スポーツ・イラストレイテッド)
1位 オルドリッジ
2位 バルニャーニ
3位 トーマス
4位 ブランドン・ロイ(ワシントン大4年)
5位 シェルデン・ウィリアムズ(デューク大4年)

●ESPN
1位 バルニャーニ
2位 トーマス
3位 ゲイ
4位 オルドリッジ
5位 S・ウィリアムズ
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号