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NBA

1位候補が乱立した2006年ドラフト。印象に残るのは「神様ジョーダンの見る目の欠如」と「ケガに泣いた悲運のスコアラー」【NBAドラフト史】

大井成義

2020.04.09

2位でブルズから指名されたオルドリッジは、その直後にトレードでブレイザーズに移籍。(C)Getty Images

2位でブルズから指名されたオルドリッジは、その直後にトレードでブレイザーズに移籍。(C)Getty Images

 迎えたドラフト本番、デイビッド・スターンNBAコミッショナーから最初に読み上げられた名前は、イタリア人のビッグマン、バルニャーニだった。YouTubeにアップされているドラフト中継の動画を見ると、バルニャーニは喜びとともに、たいそう驚いている様子だ。本人にとって1位指名はまったく予想外だったようで、ドラフト後のインタビューで次のように語っている。

「まったく見当もつかなかった。ドラフトの前に誰も何も言ってくれなかったからね。1位から8位の間ぐらいだとは思っていたけど、それにしても1位指名には驚いたよ」

 バルニャーニはアメリカの高校や大学でプレー経験のない2人目のドラ1選手となり(1人目は2002年のヤオ)、初めてのヨーロッパ出身ドラ1でもあった。イタリアのプロチームで4年間プレーし、2005-06シーズンにはユーロリーグで平均10.9点、4.1リバウンド、FG成功率50.8%、3ポイント成功率43.4%を記録。22歳以下のベストプレーヤーに贈られるライジングスター賞を受賞している。

 “イル・マーゴ(ザ・マジシャン)”の異名を持つバルニャーニは、セブンフッター(213cm)ながらそれなりの俊敏性とボールハンドリングスキルを持ち、ペリメーターや3ポイントシュートも難なく決められることから“ダーク・ノビツキー二世”とも呼ばれた。未知数な部分も多々あったものの、ラプターズ首脳陣はその将来性に期待を込めて1位指名に踏み切ったのだった。
 
 ドラフト中継の動画をじっくり見てみると、バルニャーニの1位指名が発表されると同時に、一部の観客が「オーバー・レイテッド!(過大評価だ!)」というチャントを叫び始め、それが次第に広がり大きな合唱となっている。ニューヨークのファンは、よく言えば辛辣、悪く言えば口汚いことで有名だが、バルニャーニのその後を見る限り、彼らはNBAチームのフロント陣より見る目があったようだ。

■2006年組で最高の実力者だったロイは故障で早々と引退

2位以下の指名選手トップ10は次の通り。

2位 ブルズ/オルドリッジ
3位 ボブキャッツ/モリソン
4位 ブレイザーズ/トーマス
5位 ホークス/S・ウィリアムズ
6位 ミネソタ・ティンバーウルブズ/ロイ
7位 ボストン・セルティックス/ランディ・フォイ(ビラノバ大4年)
8位 ヒューストン・ロケッツ/ゲイ
9位 ゴールデンステイト・ウォリアーズ/パトリック・オブライアント(ブラッドリー大2年)
10位 シアトル・スーパーソニックス(現オクラホマシティ・サンダー)/モハメド・セネ(ベルギーリーグ/ヴェルビエ・ペパンステ)
 
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