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NBA

1位候補が乱立した2006年ドラフト。印象に残るのは「神様ジョーダンの見る目の欠如」と「ケガに泣いた悲運のスコアラー」【NBAドラフト史】

大井成義

2020.04.09

この年はPGが不作。24位指名のラウリーもNBA入りから数年は目が出なかったが、今ではオールスター選手に成長した。(C)Getty Images

この年はPGが不作。24位指名のラウリーもNBA入りから数年は目が出なかったが、今ではオールスター選手に成長した。(C)Getty Images

 前年は上位指名にデロン・ウィリアムズ(3位/元ユタ・ジャズほか)、クリス・ポール(4位/現サンダー)、レイモンド・フェルトン(5位/元ボブキャッツほか)らが名を連ねるという、稀に見るポイントガード(PG)の当たり年だったが、この年は一転して上位にPGは見当たらなかった。

 1人目が、なんと21位でフェニックス・サンズに指名されたラジョン・ロンド(ケンタッキー大2年)。続いてカイル・ラウリー(ビラノバ大2年)が24位でメンフィス・グリズリーズに指名されているものの、NBAで大成したPGはその2人しかいない。

 注目を集めていたコネティカット大からは、1巡目で4人が指名された。8位のゲイに続き、12位ヒルトン・アームストロング(4年、元ニューオリンズ・ホーネッツ/現ペリカンズほか)、22位マーカス・ウィリアムズ(3年、元ニュージャージー/現ブルックリン・ネッツほか)、23位ジョシュ・ブーン(3年/元ネッツ)。単年での1巡目指名4人は、1999年のデューク大、2005年のノースカロライナ大と並び、史上2位タイの記録である(1位は2010年のケンタッキー大の5人)。2巡目40位でデンハム・ブラウン(4年/NBAでプレーせず)も指名されており、トータル5人は2ラウンド制における最多タイ記録。
 
 この年のドラフトでは1巡目の指名が進行している間に、2位のオルドリッジと4位のトーマスのトレードをはじめ、上位7人中4人がトレードで動いている。この日トレードされたのは全部で17選手。2ラウンド制以降では2013年(23人)と2014年(19人)と並び、最多の部類に入るだろう。

 2006年のドラフト組で、個人的に印象深い選手が2人いる。3位でボブキャッツから指名されたモリソンと、6位でウルブズに指名され、直後にブレイザーズにトレードされたロイだ。

 モリソンは大学3年時に得点王を獲得し、“ネクスト・ラリー・バード”と形容された選手。2006年にボブキャッツの共同オーナーとなり、チームの全権を掌握したマイケル・ジョーダン肝いりでの指名だったが、守備力不足や2年目に負ったヒザの故障が祟り、わずか4年でキャリアを終えている。

 13歳の頃から1型糖尿病を患い、大学時代には試合中に血糖値を計り、自分でインスリンを注射しながらプレーしていたというエピソードも。だが何と言っても、あのNBA選手らしからぬ独特な髪型と風貌はインパクト大だった。
 
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