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NBA

「若くして死に、不滅の存在になりたい」“ジョーダン超え”に執念を燃やしたコビー・ブライアントの知られざる逸話〈DUNKSHOOT〉

大井成義

2021.01.29

高校生の時から「ジョーダンは俺を止められない」と豪語していたコビー。プロ入り後の対戦では、嬉々として“神”に挑んでいった。(C)Getty Images

高校生の時から「ジョーダンは俺を止められない」と豪語していたコビー。プロ入り後の対戦では、嬉々として“神”に挑んでいった。(C)Getty Images

 ところで、“ネクスト・ジョーダン”と呼ばれた選手は、これまでどれだけいただろうか。ネットで調べてみたところ、カルチャー情報サイト『COMPLEX』がおあつらえ向きの特集を掲載していた。題して『“ネクスト・ジョーダン”と呼ばれたNBA選手のコンプリート・ヒストリー』。

 古い順に列挙すると、レン・バイアス、ハロルド・マイナー、グラント・ヒル、アンファニー・ハーダウェイ、ジェリー・スタックハウス、ヴィンス・カーター、コビー、トレイシー・マッグレディ、レブロン・ジェームズ、ドゥエイン・ウェイド、ケビン・デュラント、デリック・ローズの計12人。

 その中で、ジョーダンに最も近づいたのは、やはりコビーである。

 明確に語ったことはなかったと思うが、コビーが他の誰よりも意識し、憧れ、追い付き追い越したいと強く思い、それでいて心のどこかで絶対に手の届かない存在だと感じていたアイドルが、ジョーダンだったのではないだろうか。

 バスケットボールの神様を超えることが夢だった。けれど、限りなく近づくことはできても、神以上の存在にどうしてもなれないことは、他の誰よりも自分が一番よくわかっていた。その最後の壁は、どんなに真似してみても、どれだけ努力しても、いくら運を味方につけても、乗り越えられる類のものではなかった。それでも彼は、キャリアを通して挑み続ける以外なかった、そんな気がする。
 
■ジョーダンに対面するなり挑戦状を叩きつけたコビー

 コビーは高校時代からジョーダンを強く意識していた。2014年の『LAデイリー・ニューズ』にこんなエピソードが掲載されている。コビーが高校最終学年時の17歳、ジョーダンは33歳で4個目の優勝リングを手にした頃の話だ。

「『ジョーダンは俺を止めることができない』、そうコビーが言ったのを覚えているよ」。高校でコビーの元チームメイトだったデイビッド・ラスマンは回想する。「彼は続けてこう言った。『俺がジョーダンを止められると言ってるんじゃない。ジョーダンは俺を止めることができない』」。

 この話を知った時、ジョーダンの別のエピソードが思い浮かんだ。ビデオゲームの『NBA 2K14』が2013年にリリースされた際、プロモーション用にジョーダンのインタビュー動画がアップされ、その中で語られた逸話である。
 

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