専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
NBA

9人のオールスターを輩出するも…。1999年ドラフト組の印象に影を落とした2位指名選手の凋落【NBAドラフト史】

大井成義

2020.10.07

1位指名のブランドは2006年にオールNBA2ndチームにも選出されたが、晩年ロールプレーヤー化したため、スターという印象は薄い。(C)Getty Images

1位指名のブランドは2006年にオールNBA2ndチームにも選出されたが、晩年ロールプレーヤー化したため、スターという印象は薄い。(C)Getty Images

 ロッタリーの様子は、プレーオフのカンファレンス準決勝のハーフタイムに生中継された。その番組冒頭で、上位指名が予想される7人の有望選手を紹介している。VTRが流され、NBA各チームの首脳陣がインタビュー形式でドラフト候補選手について感想を述べるという形式だった。

 まずは1位指名候補の3人が紹介された。1人目が、デューク大2年のエルトン・ブランド。1998-99シーズンの全米最優秀選手賞を総なめにした逸材で、203cmとPFとしてはややサイズ不足だったが、強靭な肉体とコートを駆け回る走力を併せ持っていた。

 2人目がメリーランド大3年のSG、スティーブ・フランシス。稲妻のような速さと爆発力を持ち、あるエグゼクティブは「アレン・アイバーソンに近い」と賛辞を惜しまなかった。身長は191cm(公称)。NBAではサイズ的にPGでのプレーになるだろうが、プレーメイキングの能力にも長けている。
 
 3人目は身長198cmのスウィングマン、コネティカット大3年のリチャード・ハミルトン。直前のNCAAトーナメントで同大を優勝に導いた、カレッジを代表するスラッシャーにしてスコアラーだ。その3人に続いて紹介されたのが、ロードアイランド大1年のラマー・オドム。紹介映像では、「おそらく最も興味をそそる選手」と説明されている。身長208cmの万能型フォワードは、アンセルフィッシュなチームプレーヤーながら、ここ一番でビッグショットを決めることもできる。

 その他、UCLA2年のバロン・デイビスとユタ大4年のアンドレ・ミラーの2人を、この年のトップPGと評価。NCAAトーナメントの活躍で名前を売ったマイアミ大4年のウォーリー・ザービアックを、1999年組屈指のシャープシューターとして紹介している。

■栄えあるトップピックはデューク大のブランドに

 6月30日、ワシントンDCにあるウィザーズの本拠地、MCIセンターでこの年のドラフトは開催された。会場には、地元出身のフランシスが1位で選ばれる瞬間を目に焼き付けようと、満員の観客が詰めかけていた。だが、デイビッド・スターンNBAコミッショナーが1位で名前を読み上げたのは、ブランドだった。クラウスは、フランシスやオドムを獲得することも考えたが、新たなフランチャイズプレーヤー候補として、安定感のあるブランドに白羽の矢を立てたのだった。
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号